2025年11月30日日曜日

自轉車瓦版 第54号

 自轉車瓦版 第54号

昭和60年7月14日発行

☆新聞紙上では、最近豊田商事の話題がつきない。そこで書籍情報として、『豊田商事の正体』(木村  久著 啓明書房 980円)、この本の第2章に「公営施設株式会社」という場外車券場のことが書かれている。

〇先日・いわき市の例の骨董屋に行き、再度ダルマ自転車を見て来た。やはり思ったとおりにせ物であった。しかし、同店でおもわぬ収穫があった。MONOPOLEのバッチを見付けたからである。バッチには次のような文字が記されていた。 COVENTRY MONOPOLE CYCLE & CARRIAGE CO LTD。このバッチは2個100円であった。モノポールはラーヂ程有名ではないが、当時やはり人気のあるメーカ一車の一つであった。(真船氏)

☆大阪北区にある、お初天神という境内では、毎月第1金曜日に古物市が開かれる。規模は、毎回5~6店が出る程度で余り大きいものではない。先日、その古物市でダルマ自転車が一台出品された。このダルマ自転車の前輪の直径は128cmでラジアルスポーク組となっていた。一見オリジナルと思わせるような作りであったが、どうも模造品のようであった。値段を聞いたところ95万円とのことであった。せめて当研究会員ぐらいは、このようなニセ物をつかまされないように注意すべきである。(大阪・高橋 勇氏)


モノポールのカタログ


「素晴らしい」モノポール、
ライトロードスター
仕様、
フレーム:22インチ、24インチ、26インチ、28インチ。タイヤ:ダンロップ製レインタイヤ。クランク:6インチまたは7インチ。ギア:70インチ、または注文に応じて。サドル:ブルックスB75、メッキスプリング。ギアケース:モノポールオイルバス(固定)。ハンドルバー:通常のフラットまたはレイズド、モノポールリムブレーキ、倒立またはローラーレバー付き。または、お客様の選択により、隠しローラーレバー付きのモノポールスペシャルハンドルバー。仕上げ:最高級の黒エナメルとライン、通常の部品は高メッキ。
このモデルは、耐久性のある品質の自転車に最も贅沢な装備を求めるライダーのために特別に作られたモデルである。純正オイルバスギアケースによってのみ得られる推進力も兼ね備えている。

モノポール・サイクル・アンド・キャリッジ株式会社


モノポールの意匠
金輪社 明治後期

"MONOPOLE CYCLE COVENTRY"(モノポール・サイクル・コベントリー)のエンブレムが刺繍されたワッペン。


金輪社の広告
明治42年7月3日付け横浜貿易新報
横浜成功名誉鑑 横濱商况新報社編 明治43年7月発行



2025年11月29日土曜日

ヴィクター号関連

 ヴィクター号関連

米国特許庁

ロードアイランド州プロビデンスのパードン・W・ティリンガスト

自転車

1891年1月6日付特許第444,258号の一部である明細書。出願日:1890年9月24日。シリアル番号:366,026。(モデルなし)

ロードアイランド州プロビデンス在住の米国市民である私、パードン W. ティリングハストは、自転車の新しい有用な改良を発明した。以下はその詳細。

本発明の目的は、自転車に便利な支柱または支持ポートを設け、使用していないときに自転車を立てた状態で保持できるようにすることである。また、本発明は、以下に記載されるように、ペダルに軸支され、操作できるように配置された支持支柱から構成されている。

図1は、本発明の改良が施された自転車の斜視図である。図2は、ペダルの端面図と支持ブレースの側面図である。図3は、ペダルの断面図である。図4は、改良例を示すペダルの下面図である。図5および図6は、図4に示す特定の部品の平面図である。


図面

明細書


2025年11月28日金曜日

自轉車瓦版 第53号

 自轉車瓦版 第53号

昭和60年7月12日発行

★宮武外骨と明治6年にフランスで自転車のサーカスを見たという成島柳北(航西日乗)と関係があったらしい。人と人との巡り合わせとは不思議なものである。当福島県でも不思議な巡り合わせがあった、と言うのは、鈴木三元の出身地桑折町に雑誌「自轉車」を発刊した佐藤喜四郎(ペンネーム・半山)が明治元年10月20日に生まれていたからだ。彼は、明治21年に上京し、東京法学院(現、中央大学)に学び、24年7月卒業、26年に立憲改進党本部に入り、同報局に3年間勤務、30年10月神田区書記となり、33年7月には月刊雑誌「自轉車」を創刊している。初代三元との関係は現在不明だが時期的に、三代三元とは何等かの関係があったものと思われる。・・・(真船高年氏)

☆高橋 勇氏からの情報、

先日、知り合いの古物商より、松下幸之助氏が勤めていた、大阪・船場の五代商会のカタ ログと封筒を入手した。このカタログは、B5 判で48ページ、完成車や部品が写真入りで載っている。この店は、当時(大正8年)すでに台湾や中国とも取引きがあったようである。

松下相談役が大阪の五代商会にデッチ奉公していた記録と、五代商会の奥さんと撮った写真は有名だが、肝心の五代商会のことは殆んど何も残っていない。このカタログが一つの手掛かりになるのではと思っている。


シンガー三輪車と宮武外骨
1884年(明治17年)

航西日乗
1873年(明治6年)3月4日の部分

店主の五代五兵衛氏夫人と松下幸之助

五代商報
大正8年3月号
資料提供:高橋 勇氏

8頁

2025年11月27日木曜日

ヴィクター号関連

 ヴィクター号関連

米国特許庁
オハイオ州アッシュランドのカーティス・E・オーバーズ
自転車サポート
1892年6月7日付特許第476,297号の一部を構成する明細書。出願日:1892年2月17日
シリアル番号:421,845(模型なし)

UNITED STATES PATENT OFFICE.
CURTIS E. OVERS, OF ASHLAND, OHIO.
BICYCLE-SUPPORT.
SPECIFICATION forming part of Letters Patent No. 476,297, dated June 7, 1892. Application filed February 17, 1892.
Serial No. 421,845, (No model.)

アメリカ合衆国市民である私、カーティス・E・オーバーズは、オハイオ州アッシュランド郡アッシュランドに居住し、自転車アタッチメントにおけるいくつかの新しく有用な改良を発明した。以下はその明細書である。

本発明は、自転車または類似の乗り物に支持部を提供し、練習者が使用する際に乗り物を支持するように設計された、自転車用アタッチメントの改良版である。

本発明は、まず、前記アウトリガーによって支持される補助輪で構成され、また、補助輪が支持される特殊な形状のブラケットと、クランプの特殊な構造および組み合わせからなる。

本発明は添付図面に示されており、
図1は自転車に取り付けられた一対のアウトリガーを斜視図で示している。
図2はアウトリガーの1つの側面図である。
図3はクランプの詳細図である。
添付図面

明細書


2025年11月26日水曜日

自轉車瓦版 第52号

 自轉車瓦版 第52号

昭和60年7月12日発行

『ラーヂ自転車』(資料版)

ラッジ・ウィットワース 英国最高の自転車

軽量でありながら優れた強度

あらゆる種類の鋼材やその他の材料を用いた実験室と路上での継続的な実験により、他社製品よりもはるかに軽量でありながら、強度と耐久性に優れた自転車を製造している。ラッジ・ウィットワースの自転車は、平均的なメーカーよりも10~20%軽量である。無駄な重量が減ることでライダーの負担が軽減されることは非常に重要であり、当社の自転車のチューニングが驚くほど容易な主な理由の1つである。・・・・


自轉車瓦版 第52号
昭和60年7月12日発行

2025年11月25日火曜日

水上自轉車

 水上自轉車

以下は「偕行社記事」にある水上自轉車について

〇水上自轉車

自轉車世界に流行してより、或いは空中自轉車あり、或いは水上自轉車あり、水上自轉車の説計2,3にして止らざるか中に近頃英人の工夫に成るものにて本人自らは水上自轉車中の完全なるものなりと誇称するものあり其形狀は葉巻煙草にも似たるものにて是にては直に顛覆するが如きも下部には深き龍骨ありて其危險を防ぐ全體の長殆ど10呎なり悉く『アルミニアム』を以て造りたれば差して重からず上部の諸装置は凡て陸上自轉車に異ならずして鐙を踏まば例の如く鏈車を回轉せしめ鏈車の運動は傳へて葉巻煙草形の船體を回轉せしめ此にて自轉車は自由に水上を駛走し行くものなりとぞ


81頁
「偕行社記事」 第177号
1897年9月5日発行
国会図書館所蔵

2025年11月24日月曜日

ヴィクター号関連

 ヴィクター号関連

米国特許庁
ニューヨーク州ウティカ在住のスティーブン・コラムとジョセフ・クオルト、
コラムは上記クオルトの譲渡人。
ベロシペード、
1890年12月30日付特許第443,499号の一部を構成する明細書。
1890年2月17日出願。シリアル番号340,665(模型なし)

UNITED STATES PATENT OFFICE,
STEPHEN CORAM AND JOSEPH KUOLT, OF UTICA, NEW YORK; SAID CORAM ASSIGNOR TO SAID KUOLT.
VELOCIPEDE.
SPECIFICATION forming part of Letters Patent No. 443,499, dated December 30, 1890.
Application filed February 17, 1890. Serial No. 340,665, (No model.)


ニューヨーク州オナイダ郡ユティカ市在住のジョセフ・クオルトは、自転車またはベロシペードにおけるいくつかの新しく有用な改良・発明をした。以下は本発明の完全、明確かつ正確な説明であり、添付図面および本明細書の一部を構成する参照図を参照することにより、当該業者が本発明を製造および使用することを可能にする。

本発明は、通常の自転車を雪上または氷上での使用に適応させるための自転車の改良に関するもの。

図1は、当社の改良品が取り付けられた通常の安全自転車を示している。
図2は、図1に示されているものよりも拡大された靴またはスケートと、車輪の一部を示している。
図3は、図2の線ABにおける靴またはスケート、車輪、およびタイヤの断面を示している。
図4は、靴またはスケートの改良された構造を示している。
図5は、駆動輪または推進輪に使用される取り外し可能な拍車の一部を示している。
図6は、断面図を示している。・・・

シート1

シート2

明細書




2025年11月23日日曜日

自轉車瓦版 第51号

 自轉車瓦版 第51号

昭和60年7月12日発行

日木自転車史研究会 発行日 不定期(1部20円)

『ラーヂ自転車』(資料版)

(左上) 1887年のラッジ製クロス・ フレーム、セフティバイシクル

(左中)1890年型ダイアモンドフレーム・セフティバイシクル。もちろんラッジの製品。すでに現代的な自転車のレイアウトを持ち、きわめて高い完成度となっている。

(左下)1892年型といわれるラッジのオーディナリー型自転車。

(右)1887年8月26日号の The Bicycling World誌に掲載された、当時の自転車工場の様子を示すイラスト。

ラッジ・ウィットワース 英国最高の自転車


自轉車瓦版 第51号
昭和60年7月12日発行

1889年、三輪車と自転車メーカー
自転車の価格表
コベントリーのラッジ・サイクル・カンパニー・リミテッド社製

2025年11月22日土曜日

鐵道人力機車の發明

 鐵道人力機車の發明

「明治26年7月6日、国民新聞」

神奈川県下足柄下郡星崎熊治郎氏が、今回農商務省に特許を出願せし鐵道人力機車は人力を以て車を運轉せしめ、汽車鐵道馬車電氣車等に代用すべきものにて、木製のまま試驗せし成績に依るに、一間一寸の勾配ある高處に曳き上るに該機車の運轉器を八寸挽く毎に九尺進行し、一人の力にて四百餘貫目の重量を載せたる列車を運轉し得たりといへば、之を鐵製となし鐵軌道を用へば鐵道用列車に貨物を積載し、十餘輛を聯接したるものを、二人の力にて容易に運轉するを得べしといふ。


鐵道人力機車の發明
明治26年7月6日付け国民新聞

「新聞集成明治編年史」 第八卷
昭和15年発行
国会図書館所蔵

2025年11月21日金曜日

ヴィクター号関連

 ヴィクター号関連

アメリカ合衆国特許庁
ウィスコンシン州ミルウォーキーのウォーレン・S・ジョンソン
自転車
1892年6月14日付特許第477,122号の一部を構成する明細書
1891年7月18日出願。シリアル番号399,955。(模型なし)

UNITED STATES PATENT OFFICE.
WARREN S. JOHNSON, OF MILWAUKEE, WISCONSIN.
BICYCLE.
SPECIFICATION forming part of Letters Patent No. 477,122, dated June 14, 1892.
Application filed July 18, 1891. Serial No. 399,955. (No model.)

ウィスコンシン州ミルウォーキー郡ミルウォーキーのウォーレン・S・ジョンソンは、自転車等の新規かつ有用な発明した。以下はその明細書。

本発明の目的は、自転車、三輪車、および類似の機械の乗り手を、非常に不快な振動から解放することである。

機械が不整地を走行しているときにフレームからシートに伝わる振動や揺れを軽減する。この目的のために、サドルとフレームの間に、空気またはその他の弾性流体で満たされた折りたたみ可能な袋またはチャンバーからなる空気圧支持部を導入する。このようにして、形状、快適性、涼しさに関するすべての利点を備えた通常のサドルを維持し、同時に振動を吸収または軽減することができるため、スムーズで楽な動作で走ることができる。袋またはチャンバーの形状と構造の詳細は、使用するシートまたはフレームの特性に合わせて変更できる。



明細著


2025年11月20日木曜日

自轉車瓦版 第50号

 自轉車瓦版 第50号

 昭和60年7月9日発行

発行所 日本自転車史研究会

発行日 不定期(1部20円)

☆昭和60年3月20日に産声をあげた、この瓦版もはや50号をかぞえることとなった。初めのうちはなにを書いてよいか迷ったが、最近ではそれが無くなった。ご覧の通り単なるメモ書きにすぎないからだ。なんでも自由に想いついたときに書く。 今後もこの方針は変わらない。第一、方針など考えていたらなにも書けなくなってしまうからである。そんなことは考えたくもない。ただ従来通り皆様から送られて来る新鮮な情報を載せるだけである。50号を迎えることが出来たのも偏に皆様のおかげと感謝している。

☆ 前号からのつづき『ラーヂ』、ラッジの自転車は、その時代に群雄割拠の観があったイギリスの自転車メーカーの中で、ひときわ優れた品質を持ち、またたく内にトップブランドの一つに数えられるまでに成長した。この成功には、ラッジ氏の特許などの力が大きくモノを云ったことは見逃せない。コベントリーに工場を建設したラッヂは、1887年に事業の拡大にともない、社名を『ラッヂサイクル CO.LTD』と変更した。 この時期にラッジが生産した自転車には、進歩的なデザインのものが多く、今日の自転車と殆ど変わらないようなタイプさえあった。(次号につづく)

特許明細書の図面(修正図面)
 1878年2月8日 №526

2025年11月19日水曜日

ヴィクター号関連

 ヴィクター号関連

アメリカ合衆国特許庁
トルーマン・J・グローバー、ワシントン、コロンビア特別区
自転車用ロック
1890年7月1日付特許第431,457号の一部を構成する明細書
1890年3月26日出願。出願番号:345,404。(模型なし)

UNITED STATES PATENT OFFICE.
TRUMAN J. GLOVER, OF WASHINGTON, DISTRICT OF COLUMBIA.
BICYCLE-LOCK.
SPECIFICATION forming part of Letters Patent No. 431,457, dated July 1, 1890.
Application filed March 26, 1890. Serial No. 345,404. (No model.)

アメリカ合衆国市民であり、コロンビア特別区ワシントンに居住する私、トルーマン・J・グローバーは、自転車用ロックに関するいくつかの新しく有用な発明した。

以下は、本発明の完全、明確かつ正確な説明であり、関連する技術分野の当該業者が本発明を製造および使用できるようにする。

本発明は自転車のロックに関するものであり、以下に詳細に説明し、特許請求する通り、特定の新規な構造、組み合わせ、および部品の配置から成り、これにより自転車の車輪は、ランプや工具箱などの付属品とともに瞬時にロックすることができ、それにより、前記ロックの鍵を持たない人が自転車を持ち去ることを防ぎ、また、前記ランプ、オイルボックス、および前記ボックスからの工具の盗難を未然に防ぐことができる。

図1

図2

明細著


2025年11月18日火曜日

ヴィクター号関連

 ヴィクター号関連

下の写真は写真館で撮影されたヴィクター号と男性。

写真に「Arrasmith, MUNCIE, IND」という文字があり、インディアナ州マンシーの写真スタジオで撮影されたことが分かる。

1890年代

オーバーマン・ホイールカンパニー(Overman Wheel Company)の概要
創業者、アルバート・H・オーバーマン(Albert H. Overman, 1850–1930年)
会社設立、1882年(当初はハートフォードで設立後、チコピー・フォールズへ移転)
所在地、マサチューセッツ州 チコピー・フォール(Chicopee Falls, MA)
最盛期、1890年代
主要製品、ヴィクター号(Victor)安全型自転車

2025年11月17日月曜日

自轉車 第9号 - 9

 自轉車 第9号 - 9

 快進社 明治34年4月1日発行

以下は拾い読み、

10傑投票第3回披露

名望家

千二百十八票 伊藤琴三君 日本橋區濱町一丁目

千百六十二票 梅津元晴君 牛込區若松町

千六十九票 秋山定輔君 神田區錦町三丁目

五百九十三票 北村友吉君 深川區本村町 他

その他に、博識家、競走家、曲乗家、旅行家、斡旋家、実験家、著實家、自転車商店、技術家


57頁

58頁

59頁

60頁

61頁

62頁

63頁

64頁

2025年11月16日日曜日

自轉車瓦版 第49号

 自轉車瓦版 第49号

昭和60年7月9日発行

★ “サタケの自転車のホーロー看板"を希望の方は、事務局へ注文して下さい。全長は1.2メートル、幅22cmの大型、3色カラーで、赤色のバック地に緑と白の配色、部屋のアクセサリーにもなる。1枚だけなので早めに・・・・¥5000(送料別)

★メーカー事始シリーズ NO.3 "ラーヂ”ラッジのブランドは、戦前派のファンにとって、自転車とモーターサイクルの両方を想い浮かべるものである。もっとも戦前の日本においては、なぜかRUDGEをラーヂと発音・表記する場合が多く、ラッジよりもラーヂでなければオールドファンにはピンと来ないかもしれない。ラッジの創立者であるダン・ラッジが、自転車生産を手がけるようになったのは、1870年代のことであった。彼は優れた発明家であり、当時流行を見せていた自転車に関する発明を行なっていた。1873年にラッジは、自転車に関する特許を取得した。彼の発明は充分に商業価値を持つものであり、これが自転車メーカー『ラッジ』誕生への直接のきっかけとなったのである。1880年に入って、ラッジは、友人の法律家ジョージ・ウッドコックと手を結び、自転車メーカーを設立。新会社『D. RUDGE & CO』は早速本格的な自転車生産に移った。(次号につづく)


ラーヂの系図

1869 ダン・ラッジ
1880  D.ラッジ&カンパニーとコベントリー・トライシクル社
1885  D.ラッジ&カンパニー
1887  ラッジ・サイクル社
1894  ラッジ・ウィットワース社


2025年11月15日土曜日

ウェイのヴェロシペード

 ウェイのヴェロシペード

アメリカ合衆国特許庁

ニューハンプシャー州チャールズタウンのチャールズ・A・ウェイ

1867年11月26日付け特許第71,562号

自転車の改良

United States Patent Office.
CHARLES A. WAY, OF CHARLESTOWN, NEW HAMPSHIRE.
Letters Patent No. 71,562, dated November 26, 1867.
IMPROVEMENT IN VELOCIPEDES.

ニューハンプシャー州サリバン郡チャールズタウンのチャールズ・A・ウェイは、自転車の改良において、いくつかの新しく有用な発明をした。以下は添付図面を参照、その完全、明確、かつ正確な説明であり、本明細書の一部を構成する。

図1は、自転車の平面図である。

図2は、その垂直縦断面図である。

本発明の目的は、極めてシンプルな構造のベロシペードを提供することであり、非常に少ない力で推進でき、また便利に任意の方向に旋回または誘導することができる。本発明は、クランク・リスト(crank-wrists)またはハンドルを備えた2つの駆動輪を備え、装置のフレームおよび座席との関係において、前述の車輪が、ベロシペードを使用する人によって、前記車輪に動きを伝えるための中間装置を使用することなく操作できるように配置されている。本発明はさらに、ガイドホイールまたはキャスターを操作するための新規な手段を備えており、これにより、使用時のベロシペードの旋回または誘導が非常に容易になる。



明細書

2025年11月14日金曜日

自轉車瓦版 第48号

 自轉車瓦版 第48号

昭和60年7月8日発行

☆須賀氏からの情報。

江戸川区民センター、郷土資料室発行の“資料室だより(№5、S.42.6.1)に次の記事があった。

「明治初期の三輪車、宮崎鎮雄氏宅から発見される。この三輪車は明治10年代に鍛治屋と車大工の手で作られたものと思われる」三輪車では、三元車が有名だが、いったいこの三輪車はどのようなものであろうか?興味あるところである。

☆八神氏からの情報、

"SPOKEN' WORD の表紙コピーをいただく。この機関紙は、自転車切手収集愛好家の会報で定期的に発行されているもの。会員は、本部のイギリスをはじめ、アメリカ、ニュージーランド、西独など世界各国に及び、日本では八神氏がただ一人のメンバーになっている。

★真船氏からの情報、

「洋学史辞典」日南学会(昭59.9.20 雄松学より復刻出版)発行の記事の中で、”後踏自転車”と“前踏自転車”というのがあるが、これは当時(明治4年)の糸車の名称で、今日で云う自転車に付けた名称ではない。先の斉藤氏の論文では、寅次郎が自転車の名づけ親であると書かれていたが、あるいは寅次郎がこの糸車の名称を借りて来て、自分の製造した自転車に採用したのかもしれない。まだ、これを証明する確かな資料が現われていないので結論づけることは出来ないが、今後調べたいところである。


糸車 神奈川県山北の古民家で撮影

2025年11月13日木曜日

ベロシペードの改良

ベロシペードの改良

 アメリカ合衆国特許庁

マサチューセッツ州リン在住のチャールズ・K・ブラッドフォード、譲渡人:C・B・サンダーソン、および同所在住のマイノット・テリル・ジュニア

推進車両の改良

UNITED STATES PATENT OFFICE.

CHARLES K. BRADFORD, OF LYNN, MASSACHUSETTS, ASSIGNOR TO HIMSELF, C. B. SANNDERSON, AND MINOT TERRILL, JR., OF SAME PLACE.

IMPROVEMENT IN PROPELLING CARRIAGES.

1866年3月13日付特許第53,214号の一部を構成する明細書

エセックス州リン在住のチャールズ・K・ブラッドフォードは、ベロシペードの新しい有用な改良を発明した。以下は、本明細書の一部を構成する添付図面を参照しながら、その構造と動作の完全、明確、かつ正確な説明である。

添付図

明細書

改良点は、
第一に、ハンドレバーA Aに支点ピンIを受容するための一連のノッチE Eを設けることである。これにより、ベロシペードを推進するために必要な力に応じて、てこの作用を自由に増減できる。
第二に、ハンドレバーの力を、レバーを一方向に動かしたときにのみ推進作用を持ち、反対方向に動かしたときに解放されるように配置された摩擦クラッチによって車輪に伝達する。これにより、一般的なクランク運動の死点が回避され、他のベロシペードのように毎回均一で手を動かさなければならないのではなく、乗り手は、最も快適な方法で、ハンドレバーを長くまたは短く動かすことによって推進力を発揮できる。

2025年11月12日水曜日

自轉車瓦版 第47号

 自轉車瓦版 第47号

昭和60年7月6日発行

★今号から瓦版が有料となります。ただし従来通り1ヵ月に1回以上情報等をお寄せ下さる方には無料配布されます。送料・ コピー代として20円です。バックナンバーも1部20円になります。よろしくお願いします。

★当研究会が最近入手した資料は次のとおリ①カタログ・山本タイムス第1号大正3年 11月発行、東京市神田区山本商店 24頁

② 紀行雑誌「臥遊」第2号明治の発行だが、 年月日日不明「幽芳子の自転車旅行いとめずらし」という記事あり P.37~P.39

③カタログ杉野商報第8号 杉野商店 46頁、 大正 13年8月発行

④書籍のコピー、『自転車指針』梅津大尉著、明治35年 厚生堂発行。
「自転車指針」は、最近まで、名前は知れども、所在は不明であった。瓦版3号で真船氏が古書目録にあるのを見つけ出したが、この時は抽選にはずれ残念ながら入手することは出来な かった。恐らくこのコピーはその目録にあったものであろう。某氏からのコピーということで原本の所在は 今だあきらかになっていない。しかし、今回コピーだけが 古書店の市場に流れたのである。「自転車指針」は国会図書館も所蔵していない。たいへん貴重な資料である。いずれこのコピーより復刻し、会員 ・諸氏にお目にかけたいと思っている。


「山本タイムス」
1916年(大正5)4月号 第11号

表紙
「自転車指針」梅津元晴著
明治35年11月1日発行

奥付