この写真は、石川商会の東京支店です。明治39年1月発行のカタログから転載しました。店の場所は、東京市京橋区南伝馬町三丁目にありました。屋根の上の塔に丸石のマーク(実はこれが新しいピアスのマーク)が見えます。このマークの使用は明治36年頃からです。銘柄車のピアスは石川商会の一手販売でしたが、別ルートで中古車などを輸入した業者がフレームを塗替え販売する悪質なケースなどがあとを絶ちませんでした。それに横浜のアンドリュース&ジョージ合名会社も似たようなマークの使用をはじめました。そこで石川商会は、やむなくピアスのマークを丸石に商標変更するという思い切った手段に出ました。明治36年7月31日付けの萬朝報に「輪界に警告す」というタイトルで、この商標変更のことを載せています。