スティーブンスの日本旅行記-⑨
芦屋から、小さな運河に沿って道を進み、田圃の低地を横切る。何十隻もの石炭運搬船が運河に漂い、潮の流れに頼って進んでいる。潮が満ちるまで漂い、その後は係留され、再び満潮になるまで辛抱強く待つ。長年の経験から、彼らはきっと、状況に応じて一度、二度、あるいは三度の潮の干満を計算し、運搬船を特定の船着場や村へと運んでいるのだろう。
隣町の重要な町、若松へは、大勢の人が行き交っている。何かの祭りの行事が人々の注目を集めているようだ。誰もが華やかな装いで、帰る人々は柳の枝や紙の魚などを持ち帰っている。
提灯、花、神名が書かれた紙切れなどが飾られ、多くの者が様々な仮面を被っている。男性陣の中には、白い日よけ帽、ダービーハット、赤、青、緑の毛布、そして時折カジュアルなコートやズボンといった奇妙な組み合わせが見られる。日本の女性の祝祭衣装については、ほとんど言及する必要はないだろう。
おそらく世界で最も美しいドレス(和服)だろう。日本の女性に最も似合うドレスであることは間違いない。もし彼女がこのドレスを捨てて他のドレスを選ぶとしたら、それは大きな間違いである。
若松の通りは活気に満ち、絵のように美しい。華やかな衣装をまとった田舎の人々で賑わい、屋台は食欲をそそる食べ物、おもちゃ、衣類、提灯、紙の花、そして想像し得るあらゆる日本の品々の山の中で、かなり賑わっている。路上の人々は珍品を並べることで、小さな群衆を惹きつけている。私がしばらく立ち止まって眺めていた老人は、小さな色紙のロールを売っていた。それを水を入れたボウルに入れると、花、船、家、鳥、動物に展開するのだ。
祝日の説明で、税関の制服を着た若い男性は、英語を少し話せるが、「日本の神」は宗教的なものだと言う。祭りでは、笑顔で話したり、お辞儀をしたり、滑稽な表情の群衆が楽しんでいる。
若松から小倉にかけては起伏に富んだ地形が続いている。小倉からは狭い海峡を挟んで下関、本土の島々が見える。これまで私は、本土から隔てられた九州を横断してきた。