自轉車瓦版 第27号
昭和60年6月11日発行
☆齊藤俊彦氏からの情報、”サイクリスト創世記”久留梅士著 『サイクル』の2巻8号 (昭29.8)及び6巻1号(昭33.1)に出ている。
久留梅士は、服飾史研究家、太田臨一郎氏 (83歳)の寄稿時のペンネーム。この続き物は、当時の体系的な自転車史として秀逸。 同氏は、現在東京・谷中に在住、服飾研究に没頭している。
先日、小生宛に届いた古書目録に次のような資料が載っていた。 2324 カーボン号自転車カタログ、明治期 ¥2000-、 2607 両国橋之景況、石版画、自転車や馬車などが描かれている。 大正3年 ¥3.000- (伊勢崎市、福地書店)
★明治35年8月1日発行の雑誌『新小説』に“風流的自転車”と題して、『自轉車全書』の著者として有名な松井松葉が寄稿している。
☆ 自転車模様の浴衣地、三井呉服店にては自転車乗りの疾走し居る様を巧みに浴衣地模様となして売出したるに何様自転車大流行の折柄とて其売行頗る好況を呈し瞬時に売切れたれば目下更に数千反の製造中なるが尚続々と注文嵩みる由、同浴衣地は真岡木綿にて代価は1円50銭位なりと。
“自転車鑑札泥棒”近年市中に於て自転車の鑑札を盗む曲者あり、横着な自転車屋は、之を買取り貸自転車に附して其筋の目を掠め税金を胡麻化すと、乗輪車は注意せられよ。(『輪友』No.10 明35.8.5 より)。
350頁
松井松葉 著作集の一部
「近代文学研究叢書」 第34巻
1971年発行
国会図書館所蔵
以下同じ