2022年5月10日火曜日

有名な「ラントーン」⑤

 有名な「ラントーン」⑤ 最終回

イギリスの特許の侵害が関係しているかどうかにかかわらず、ラントーン・Rantooneの手と足の原理は、1860年代以降の多くのマシンで採用された。

1865年から1870年の間に、このタイプのベロシペードが少なくとも5つあり、「イングリッシュ・メカニック」のページに図解入りで説明されている。

タウンリー・ Townley dos-a-dos ベロシペード(1867年8月30日のイラストを参照)。

原型に非常に近く、実際、設計者は「ラントーンの構造」の使用を認めている。足踏み駆動の「レディース・パリジャン三輪車」には、「クランクアクスルに作用して速度を大幅に向上させるためにサイドレバーが取り付けられている」とある。

(「ベロシペード、自転車および三輪車」1869年、68ページ)。

ニーダム・タンデム三輪車イラストのリアライダー、1869年8月13日、「King of the Road」1975年、p100)は、現在クライストチャーチ三輪車博物館に貸し出されており、クランク付きリアアクスルで作動するハンドレバーと足踏みの組み合わせによって推進を向上させている。また、H.J.ローソンの1876年の特許(1876年の第2649号)では、手と足のレバーを別々に、またはその組み合わせで駆動するマシンも含まれていた。(上記のSammy Bartleetによる)完全を期すために、1880年代の最も有名な手動レバー推進機(元々は1869年に特許を取得)、チャーズリーの「ベロシマン」についても言及する必要があるが、ここでは、足の推進力は主要な駆動装置の補助的な役割である。

筆者はこれまで解決できなかったラントーンの関連した記事について、いくつかの疑問があった。 1869年にパンチの年鑑から複製された漫画「ラントーンの走り」は、その要点を明らかにしている。このマシンは、この記事で説明されているようなRantooneの特許取得済みの機能はないが、踏板駆動とティラー・ステアリングを備えた通常の三輪車であり、(例えば)Lisle's Ladies English Velocipede(「Velocipedes、Bicycles、andTricycles」p66)に似ている。パンチのイラストは、ビラリキーのデイブ・トゥイッチットが所有する2つのマグカップの装飾にも使用されている。 「サイクリスト・ツーリング・クラブのロマンス」では、1928年(p14)、J.T.ライトウッドは、「パンチ」を「かなり信頼できる史実」と云っている。ライトウッドは後に(p19)、1869年4月のマンチェスターの論文「The Sphinx」で言及し、当時の「ベロシペード・マニア」で論じている。ライトウッドは、「スフィンクス」で「一般的に”ラントーン”を明らかに使用していた」と云っている。この頃になるとこのマシンは非常によく知られるようになったため、あらゆる種類の自転車や三輪車は「ラントーン」と呼ばれるようにもなった。

またはパンチによって示されているように「Rantoone」も、筆者の見解では、一般的にある程度の妥当性はあるかもしれないが、正確な答えを提供しているわけではない。 「Rantoone」として知られている、パンチの漫画(およびDave Twitchettのマグカップ)に描かれているような特定のマシンが実際に製造され、かなりの数が使用されたことを示唆している。

それは、1896年8月15日の「The Hub」の「A Pioneer」による「Old Time」サイクリングに関する記事に登場する(p.65)。

その後、アメリカの発明である”Rantoone”と呼ばれるような偽情報もある。「ペダルの長さは約3フィートで、全体が薄い鉄ででき、靴のような黒い箱と同じくらいの大きさで、常に赤く塗られていた」とあり、次のページには、パンチの漫画とほぼ同じであるが、「ばかげたラントーン」(複製)というタイトルのイラストがある。このマシン(ジョセフ・グッドマンが特許を取得した以前のマシンよりも明らかに劣っている)は、アメリカと両方?、はたして誰が作ったか?、など謎である。

オリジナルの「Rantoone」との関係は何か(たぶん商標名の使用が許可されている)?

会員ならおそらくこれらの質問に対する答えを持っているだろう、それなら筆者は喜ばしい!

しかし、私たちのコメントをグッドマンのマシンだけに限定すると、ラントーンが1860年代、そして数年間イギリスでの三輪ベロシペードの開発に重要な役割を果たしたことは明らかである。

THE CELEBRATED "RANTOONE" by Roger Street
THE BONESHAKER、№122 SPRING 1990
19頁

21頁

22頁

完、

註、今後もラントーンに関する何らかの資料が出てきたら、また、このブログで紹介したい。
それに一つ付け加えれば、日本のラントーン型三輪車も忘れてはならない。ロジャー・ストリート氏が、日本の錦絵を見ていたら、この「有名なラントーン」の記事に付け加えたはずである。