2022年6月9日木曜日

自転車関係資料-110

  自転車関係資料-110

下の資料は、

科学研究所報告 第二十八輯 第三号、昭和二十七年五月より。

自轉車の製造技術改善に関する綜合研究 (第五報)

自轉車フレームの強度
辻 二郎、 鈴木新嗣、 河田幸三、斎藤 茂、服部昌男
(昭和二十七年五月十日 受理)

緒言の一部を抜粋、

Ⅰ.緒言

自轉車フレームの強度に関して、 国内では終戦後に至って初めて理論計算、實驗共に優秀な研究が続々と現われた。 主として實驗的な研究内容に就いて述べると、先ず自轉車技術協會の技術委員会(1)が行った静荷重による自轉車車体各部の歪みの實測及び計算値との比較がある。平木 一氏 (2) は、 主に競走車の直線走行の場合の負荷状態での歪の實測を行い、 外國製競走車の強度を推定した。 冨士工業太田工場の百々義富(3)等は色々の型式の車体に就いて直線走行、 全力登坂、 衝突、 制動、牽引等の負荷状態での各部材の応力、撓み等の實測を行った。 又同氏 (4) 等は外國車に就いても、日本車と比較し、乍ら同様の實驗研究を行った。國外の研究に就いてはその全体を知る事が出来ないが、入手出来たものとして(5)、フレーム (面内)の静的及び動的負荷の場合の抵抗線歪計に依る測定がある。

以上の實驗は約言すれば、フレーム面内の荷重に対する応力分布の測定であるが、我々は自轉車総合研究の一環として、次の諸点に重点をおいて実測を行った。

(1) フレームの型式に因り、 サドル荷重に對する應力分布がどう違うか。
(2) フレームが側方荷重を受ける時の應力分布、 剛性。
(3) フレームのサドル荷重に依る破壊強度。
(4) 併せて日本車と英車との比較検討。
(以下略)

表紙

42、43頁