2024年3月29日金曜日

競輪用自転車の車検

 競輪用自転車の車検

下の写真は競輪用自転車の車検のようす。


車検のようす 昭和30年代
写真提供:秦野市 片野自転車店


註、車検について
○自転車の検査の要領(その一部)
(平成19年10月 1日 平成19・10・01製第23号認可)
最終改正 平成29年6月6日 20170525製第3号認可

第3章 自転車の検査
 第1節 自転車の検査基準及び検査方法
自転車の検査基準及び検査方法は、次のとおりとする。
1―1 自転車は、本財団に登録されたものであること。
本財団が作成した「登録自転車一覧表」と照合確認する。
1―2 構成部品は、登録自転車仕様書に合致するもの又は「競走車部品認定基準」に適合すると認定したものであること。
本財団が作成した登録自転車仕様書又は「競走車部品認定基準適合部品一覧表」により確認する。
1―3 各部品は、適正な箇所に取りつけてあること。
1―4 構成部品は、有害な加工(切削、穴あけ、その他著しい原形の変更等)が施されていないこと。 
1―5 フレーム及び金属部品に著しい変形、摩耗、腐食又は切損がないこと。
1―6 フレーム及び金属部品の素地にひび又は著しいさび、傷がないこと。
1―7 スチール製フレームのろう付部にろう切れ又はろう離れがないこと。
1―8 非金属部分に著しい傷、き裂、老化又は、摩耗がないこと。
1―9 ハンドルバーの各部及びスチール製フレームを構成するパイプに、へこみの最大長さが、そのパイプの直径以上又はへこみの深さがそのパイプの直径の1/3以上ないこと。なお、へこみの大きさにかかわらず、角のあるへこみがないこと。
1―10 ハブ軸先端及びスチール製フレームのチェーン引きボルト先端は、面取りしてあること。
1―11 スチール製フレームのチェーン引きは、後つめの両側に取り付け、舟はハブ座金又は中ナットに接触していないこと。カーボン製フレームのチェーン調整ボルトは、後つめの両側に取り付けられ、ハブ軸中心に接していること。
1―12 小ギヤは、ハブの両側に取り付けられていないこと。
1―13 各ナットのはめ合い長さは、 目視により行う。
1―14 シートポストと立パイプ及びスチール製フレームのハンドルポスト(ハンドルステム)とホークステムのはめ合いは、限界標識以上はめ合わされていること。
1―15 チェーンは、継手リンクプレートで1本のボルトによってつないであること。
ただし、半コマの場合は、2本の継手ボルトによりつないであること。
1―16 スポークは、あや組みしてあること。
1―17 ハンドルバー端面は、にぎり又はバーテープ(キャップ付き)で覆われていること。
また、にぎり又はバーテープの巻き上がりが、ハンドルバーわん曲部最先端を超えないこと。
1―18 サドル、シートポスト、ハンドルポスト及びハンドルステムに著しい傷又は亀裂がないこと。
1―19 トークリップに著しい傷又は亀裂がないこと。
1―20 タイヤに傷、磨耗又はスレがないこと。
1―21 カーボン製フレームのホイール(バトンホイール及びディスクホイール)に著しい変形、傷、亀裂又は剥離がないこと。
2―1 前ハブナットの締付けトルクは、22N・m以上30N・m以下であること。
 トルクレンチをもって行う。
2―2 スチール製フレームの後ハブナットの締付けトルクは、33N・m以上45N・m以下であること。カーボン製フレームの後ハブナットの締付けトルクは、22N・m以上30N・m以下であること。
2―3 コッタレスギヤクランク締付けボルトの締付けトルクは、12N・m以上16N・m以下であること。
2―4 ペダル軸のクランクはめ合いねじは、完全に締め付けられていること。
2―5 ハンガ止めナット、小ギヤ止めナット及びギヤ板取付けボルトは、完全に締め付けられていること。
2―6 スチール製フレームのヘッド部上わんロックナット又はカーボン製フレームのアンカーボルト若しくはキャップ固定ネジは、完全に締め付けられていること。
2―7 スチール製フレームのチェーン引きナット、カーボン製フレームのチェーン調整ボルトは、完全に締め付けられていること。
2―8 ペダル側板の取付けボルトは、完全に締め付けられていること。
3―1 ペダル枠のかしめに緩みがないこと。
3―2 サドルの舟線とトップとの間に緩みがないこと。
3―3 ハンドルバー及びハンドルポスト若しくはハンドルステムは、完全に固定されていること。
3―3 前車輪を固定し、ハンドル両にぎり部に前進方向の反対に約300N、ハンドル回転方向に約100Nの力を加えて行う。

など。

自転車技術情報 第66号
自転車産業振興協会
1995年1月発行
国会図書館所蔵資料
競技用検車機器の改良について
競技用自転車に関する研究
競技車研究グループ
 常盤喜一、坪井 信隆、稲田映二、林 博明