スティーブンスの日本旅行記-②
日本の紙幣(10円、5円、1円、50銭、20銭、10銭)と、道端の茶屋でお茶や果物を買うための銅銭を用意して、11月23日火曜日の朝、私は美しい日本を横浜まで800マイルの旅に出発する。 F大尉とアメリカ領事のB氏がホテルまで見送りに来てくれた。夜に雨が降ったので、道路は少しぬかるんでいた。長崎の整然とした通りを抜け、曲がりくねった道に行き、木々や花の趣のあるデザインで飾られた丘陵の墓地を通り過ぎ、日本人の不思議そうな視線と好奇心に満ちた声に追われながら走った。長崎は、海岸沿いの丘陵地帯の麓に位置し、長崎の市街地を出てすぐに登りになる日見峠へ。峠には良い道路が整備され、旅行者や農産物を運ぶ人々から通行料を徴収するための料金所が設置されている。
料金所のおばさんは、私が料金所を通り過ぎて急な坂を登っていくと、微笑んで私に頭を下げていた。
しかし、日本の通行料や道路に関する私の経験不足により、その礼儀正しさは役に立たなかった。
数枚の小さなコインと引き換えに、日本語の文字が書かれた木製の通行切符を受け取った。これはさらに上の料金所へのパスポートになると思ったが、その後、それが往復切符であることを知った。料金所のおばさんは、当然のことながら、私がまた長崎に戻るだろうと考えたのである。
峠では、米、飼料、薪、そして様々な農産物を積んだ小さな馬や牛が、菅笠をかぶり、赤い丹前を着た人足たちが曳いていた。
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図のキャプション
「日本語の文字が書かれた木製の通行切符をもらう」