2025年8月9日土曜日

「自轉車瓦版」 第16号

「自轉車瓦版」 第16号 

昭和60年5月10日発行

☆福島の真船氏からの情報によると、先日、月刊「サイクルスポーツ」誌のバックナンバーを眺めていたら、昭和55年10月号に「富山市にある自転車博物館」という記事が目に止まったそうである。この自転車博物館は、富山市鴨島字川原1850-1(TEL 0764-41-0411)の中央自転車センターの2階にあり、正式な施設の名称は「サイクリング文化室」と云う。80年4月1日に「自転車の発達史や保健上の効用及び科学など自転車に関する知識の啓蒙普及を通して、青少年の健全な育成を目指す」ことを目的として開設されたもの。日本における自転車博物館では、東京赤坂の自転車文化センターは確か、昭和56年5月にオープンしている。それよりも1年早く、昭和55年4月に自転車博物館として、名のりを上げたのであるから、なにはともあれ立派なことである。現在その活動はどうなっているのか分らないが、気になるところである。東京の自転車文化センター、富山のサイクリング文化室、そしてこの秋オープンを予定している堺の自転車博物館と、これで3施設が顔をそろえることになる。このことで日本における自転車文化も世界に通用するものになるだろう。しかし問題はりっぱな施設よりも中身の充実にある。そこで、この3施設に希望することは、単なる「歴史の紹介や展示だけではなく、そこから一歩出て、今、人々が自転車に対してなにを求めているか、あるいは、今後の自転車文化はいかにあるべきか、そして 博物館としてもっとも大切である正確な史実に基づいた日本の自転車史の解明をお願いしたい。我々も微力ながら協力するつもりである。

註、グーグルマップなどで「サイクリング文化室」を調べたが、現在それらしき施設は見当たらない。


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