2024年4月11日木曜日

仙臺新報 - 3

 仙臺新報 - 3

「仙臺新報」第19号 仙臺新報社 1908年(明治41年)1月号

下は「年賀と自転車」の記事。


「仙臺新報」第19号
国会図書館所蔵資料
以下同じ


●年賀と自轉車

那珂博士と田中館博士とは本年の元旦も相變らず自轉車年賀をやるであらうが、両博士は共に岩手縣出身の人であつて何れも大の愛輪家である。殊に田中館博士の如きは極めて邊幅を装らない洒脱な性質で、雨などが降ると油紙を赤毛布の様に被って自轉車へ乗つて廻ると云う始末、元旦の参内の時に那珂博士が乗輪して居るのを田中舘博士が見て、イヤ規則に參内を禁じてないから我も乗って行こうと云ふので乗り始めた。で、両博士は例年自転車で参内するので宮内省の小使は大に閉口する。他の人々は二人曳の人力車か又は馬車てあるから各自の車夫馬丁御者等が乗用車の始末をするが自轉車はさうはいかない。年賀の礼が済んで帰るまでは是非小使が姿勢を正して自轉車の番をさせらる、と云ふので小使部屋では大コボシを爲て居るさうである。

註、●田中舘 愛橘(たなかだて あいきつ、1856年10月16日~1952年5月21日)

地球物理学者、東京帝国大学名誉教授、帝国学士院会員、文化勲章受章。

●那珂 通世(なか みちよ、1851年2月6日~1908年3月2日)
南部藩出身の明治時代の歴史学者、「東洋史」創唱者、文学博士。