2024年2月8日木曜日

自轉車學校

 自轉車學校

「サイクル」1954年1月号 サイクル時報社

82頁に自転車学校の記事あり、


82頁
資料提供:渋谷良二氏

表紙


自轉車學校

最近、一部関係者の間で「自転車学校」なる言葉が、話題になっている。此の「自転車学校」とは、如何なるものかと云うと、小売業者の子弟を対象に、将来、自転車小売商となった場合に備えて、自転車及びモーターバイクの販売、修理に必要な事を広範囲に教育しようとするものらしい。 処で「自転車学校」なるものは、今を去る五十年前、既に、日本にも存在していたとの事である。明治三十五年八月二十六日の報知新聞に、貴族院議員大原重朝伯が校長になって、牛込区河原町(今の新宿区) に、「自転車学校」を設立し、普通科及び専攻科を設けて、普通科は一週間、専攻科は二週間の修業期限で、自転車の乗法、修理法等を教育した。と云う記事が載っている。その後、約半世紀に亘って「自転車学校」と云うもののあった事を聞かない処を見れば、恐らく此の種の学校は、これを最初の最後として、跡を断ったものと思われる。昨今話題になっている「自転車学校」が、はたしてどんな格好で設立されるかは知らないが、国民大衆の足と云われる自転車の学校が我国に一ツ位はあっても無駄ではあるまい。