2023年11月29日水曜日

トライアンフ自動自転車

 トライアンフ自動自転車

下の写真は丸石商会の商報

1920年3月号、大正期になると丸石はこのような自動自転車も扱うようになる。

商報のタイトルも「自転車並びに自動自転車」である。


トライアンフ自動自転車

表紙

トライアンフは、イギリスの名門メーカーである。1885年に自転車の輸入会社として創業し、1896年から自社製の自転車の製造を開始した。1902年には世界で初めてフレームに鋼管を使用した自転車を開発し、その後も革新的な技術を積極的に導入することで、世界を代表する自転車メーカーへと成長した。1903年にはモーターサイクルの製造を開始。

2023年11月28日火曜日

宮田の実用車

 宮田の実用車

下の写真は宮田自転車の実用車タイプである。

おそらくこの自転車は大正10年頃の國華號と思われる。


宮田の実用車
写真提供:中村安良太氏
1985年撮影
以下同じ


ヘッド部付近
車籍標のようなものが見える
泥除けにはギヤMのマーク

ペダル、チェーンステー部

國華号のマーク
「日本で製作・販売された自転車のブランド名に関する調査研究報告」
平成17年3月発行より

2023年11月27日月曜日

ルイーズの自転車旅行

 ルイーズの自転車旅行

ルイーズ・ジュリエット・サザーランド(Louise Juliet Sutherland、1926年6月11日 - 1994年12月24日)は、ニュージーランドの自転車愛好家。

彼女はニュージーランドのダニーデンで、5人姉妹の長女として生まれた。

ルイーズは、移動手段として自転車を愛用。19 歳の時にオアマル病院に移り、4 年間の看護教育を受けた。 

ダニーデンの両親に会うには 100 キロメートルを 7 時間かけて移動する必要があった。これが彼女の長距離サイクリングへの興味のきっかけとなった。 ルイーズは最終的に、ニュージーランド、カレーからボンベイ、バンクーバーからペルーまで、54 か国を巡る 60,000 キロメートルに及ぶ世界自転車旅行を完走したのである。

Sutherland, Louise. I Follow the Wind. 
London: Southern Cross Press, 1962.

サザーランド・ルイーズ
「私は風に向かって」
 ロンドン:サザンクロスプレス、1962年

2023年11月26日日曜日

デジタル・ライブラリー(更新)

 日本自転車史研究会デジタル・ライブラリー 

現在、日本自転車史研究会では会報などに掲載された投稿記事のデジタル化を進めている。

今後、デジタル編集が終わったものから逐次ネットにUPを予定。

(他のサイトからの記事もあり)  

20231126日現在、 

1、知られざる銀輪の”わだち 大津幸雄

2、日本の自転車史と鑑札 高橋 勇

3、歴史を大事にしたい 今井彬彦

4、カレンダーに見る山王とロン・キッチンそして鳥山新一 渋谷良二

5、ドライジーネとミショー型の歴史 小林恵三

6、梶野仁之助伝(改訂版) 大津幸雄

7、日本の自転車史・その疑問点(改訂版) 大津幸雄

8、日本における自転車の製造・ 販売の始め 齊藤俊彦

9、自転車の歴史探訪 大津幸雄

10、「自転車学」の提唱 佐野裕二

11、日本のオーディナリー型自転車の歴史 大津幸雄

12、資料で読む中村春吉 大津幸雄

13、NCTCの分派 渋谷良二

14、自転車産業技術の変遷に関する一考察 渡邉喜久

15、「第三フランス通信」について 渋谷良二

16、彦根藩士「人力自走車」創製の記録 大須賀和美

17、自転車全書 松居松葉

18、ロンドン・ペダリング 大津幸雄

19、アンチック自転車 高橋 勇

20、創立20周年を迎えて 石原政雄

21、日本の自転車製造業の歴史 大津幸雄

22、パリの古本屋をたずねて 瀧川美佐緒

23、初めてのサイクリング 大津幸雄 

24、日本の自転車灯火 梶原利夫

25、オーディナリー自転車について 大津幸雄

26、江戸中期の自転車「陸舩車」  真船高年

27、日本の自転車の歴史(遺稿) 佐野裕二

28、History of The Ordinary in Japan Yukio Ootsu

29、歴史は繰返す”スポークの折損より 井上重則

30、お寺にあったダルマ自転車 大津幸雄

31、旅と自転車史 植原 郭

32、日本輪友会について 大津幸雄

33、自転車発展の途をたどる 高木六弥

34、日本自転車史の脇役たち 高橋 達

35、自転車はどこを走ればよいのか? 大津幸雄

36、Around the world on a bicycle  ThomasStevens

37、自轉車利用論 金澤来藏

38、Bicycles & tricycles  Archibald Sharp

39、Across Asia on aBicycle Allen and Sachtleben

40、各地の自転車小史 須賀繁雄

1The Modern Bicycle  Charles Spencer

2Round the World on a Wheel John Foster Fraser

43、自転車発明の始祖に思う 奈良重幸

44、自転車術 渡辺修二郎

45、名古屋デザイン博の自転車イベント 大津幸雄

46、「 自転車」のスポーツ史的考察 奈良重幸

47、日本の自転車製造業の歴史(改訂版) 大津幸雄

48、遠いフィンドレー 大津幸雄

49、ドライジーネの原書コピー 八神史郎

50、郵便と自転車 斧 隆夫

51、自転車史研究ノート 稲垣正浩

52、明治12年と自転車 齊藤俊彦

53、人力飛行の夢を追って 稲垣正浩

54、明治末の鳥取における自転車競走 大熊広明

55、ジャパンパンチ・ワーグマン 高橋 勇

56、ニュースレター・バックナンバー 大津幸雄

57、娯楽俱楽部 民友社

58、日本の自転車製造業の歴史(改訂新版) 大津幸雄

59、郵便と自転車 大津幸雄

60、明治期の埼玉における自転車事情 佐竹慎太郎

61、名車 "Rene・HERSE" 上野修一

62、スティーブンスの自転車世界一周 大津幸雄

63、簡易写真術 扶桑商会

64、1985年版資料目録 日本自転車史研究会

65、Velocipedes  Bicycles and Tricycles  1869 Velox

66、日本で最初の自転車旅行 大津幸雄

67,輪界追憶録 佐藤半山遺稿

68、輪界追憶録について 高橋 達

69,佐藤半山の遺稿 高橋 達

70、スティーブンスの日本での旅程 大津幸雄

71、アメリカン・スターについて 大津幸雄

72、堺の自転車 堺輪業協会

73、外装変速機のすべて 前田鉄工所

74、簡易自転車修繕法 佐藤喜四郎

75、ホルストマンの日本滞在記 大津幸雄

76、フランク・レンツとビクター号 大津幸雄

77、陸奔車の中川泉三  大津幸雄

78、正田門弥の千里行車について 大津幸雄

79、ヴェロシペードの時代 大津幸雄

80、ラントーン(RANTOONE)について 大津幸雄

81、「提督の物語」のヴェロシペード 大津幸雄

82、ヴェロシペードの時代(増補版) 大津幸雄

83、「ジャパン・パンチの自転車」-1 真船高年

84、自転車の復権 大津幸雄

85、千里行車と陸奔舟車の駆動方式 大津幸雄

86、自転車の切手について 大津幸雄

87、日本最初のサイクリング? 小林恵三

88、やはり明治の自転車リロイ号 大津幸雄

89、ジャパン・パンチの自転車 -2 真船高年

90、ジャパン・パンチの自転車 続編 真船高年

91、埴 亀齢の三輪車 大津幸雄

92、郵便と自転車の出会い 大津幸雄

93、足柄・箱根サイクリング 大津幸雄

94、南アルプススーパー林道サイクリング 渋谷良二

95、世附サイクリング 大津幸雄

96、第1回ポリージャポン 大津幸雄

97、門弥が先か? 大津幸雄

98、ラレーの思い出 山中唯裕

99、自転車年表 大津幸雄

100、サンビームのレストア記録 小池一介


2023年11月25日土曜日

シマノ研究発表会

 シマノ研究発表会

本日、シマノ博物館に於いて、2023年度 調査・分析委託事業 中間発表会が開催された。

“1960年代以降からの日本の自転車産業史”、江戸時代に日本で作られた自転車のルーツともいうべき“船形自走車”そして、日本の自転車産業発祥の地“堺の自転車史”の各講演。

開催日時:11月25日(土) 13時30分~16時30分

場所:シマノ自転車博物館 ミュージアムスクエアー

参加料:無料

第一部

「日本の自転車産業史 ~1960年以降から」 13:30~14:10

  内藤 常美氏 自転車史研究家

第二部

「世界最初の自転車 陸舟車 現状と課題」  14:10~15:10

  松本 敦氏 編集者

休憩  15:10~15:20

第三部

「堺の自転車史 戦後から現代まで」 15:20~16:20

  山部 洋幸氏 奈良県立大学准教授

質疑応答 16:20~16:30


月堂見聞集と正田門弥

 月堂見聞集と正田門弥

下の資料は月堂見聞集 第21巻 享保13年10月~享保14年9月

先日、再度国立公文書館のサイトで詳しく調べたところ、「月堂見聞集 第21巻」がアップされていてダウンロードできるようになっていた。

国会図書館所蔵の「月堂見聞集 第21巻」と比較したところ別な版であることも分かった。

どちらかと言えば、国立公文書館の版の方が読みやすい。

千里行車と正田門弥に注目。


千里行車の部分
月堂見聞集 第21巻
国立公文書館所蔵資料


千里行車、一名舟車図あり、武州兒玉郡若泉庄小堀村正田門彌、當酉の年六十一歳の由、子供三人あり、

但し車輪四つ七尺廻り、ぜんまい仕かけ、両足にてふみ出し候へば丈四尺程行也、曲祿の如くにして、是は乗りかづの上に仕かけ有之候、川抔は此車を首にかけて渡る、凡そ一日に二百里程行申候、但し山川は参り不申平地也、

図の部分
月堂見聞集 第21巻
国立公文書館所蔵資料

千里行車の部分
月堂見聞集 第21巻
国会図書館所蔵資料

図の頁

月堂見聞集は、江戸中期の1697年から1734年にかけて、本島知辰(月堂)が著した見聞雑録で、29巻からなり、江戸・京都・大坂を主として、諸国の巷説を記している。政治経済から時事風俗にまでわたる内容で、当時の世相を知る上で貴重な資料。

本島知辰(もとじまともたつ、1659年 - 1744年)は、江戸時代中期の儒学者、随筆家。岡山藩士の子として生まれ、江戸で儒学を学び、その後、京都で幕府の役人として仕え、享保十九年(1734年)に隠居して月堂と号した。

月堂の略は、
1659年:岡山藩士の家に生まれる。
1678年:江戸に出て儒学を学ぶ。
1682年:京都に出て幕府の役人となる。
1734年:隠居して月堂と号する。
1744年:死去。

2023年11月24日金曜日

ローヤル・サンビーム

 ローヤル・サンビーム

下の写真は英国のサンビームで40年ほど前に岩立氏に送っていただいたもの。

撮影場所は、ロンドンのサイエンス・ミュージアムと聞いている。

このサンビームの解説は英国の自転車に精通している小池氏にお願いした。


サンビーム
写真提供:岩立喜久雄氏


以下は小池氏の解説、

1915年から1928年までの間に生産されたオール・ブラック・ローヤル・サンビームで間違いありません。その生産期間のいつのものかは、車体番号でしか確認できません。フロントのブレーキは改造されています。リフレクターは無いのが正統。リフレクターは後付けです。ペダルとサドルは似たようなものに取り換えられているのではないか?と思います。BROOKSはサンビームには細部の違うオリジナル・サドルを供給していました。ゴールデン・サンビームには『ねじったサドルベースが使われ、通常の2本レールではありません。ローヤル・サンビームのサドルは『背が低く、幅も1~2cm広い』。これも現物確認しないとわかりません。グリップは後ろの部分がネジで外れてパンク修理セットがグリップの中に入っていたらオリジナルです。オイルランプはルーカスのシルバーキングが入っていますが、これもじつは、サンビームはオリジナルのオイルランプを作っていました。オイルタンクが横から見ると『ゼリービンズのような楕円形』をしているのですぐわかります。サンビームのレストアは難しいです。

追伸、
拡大してみたら、ペダルは『真っ赤なにせもの』です(笑)。ラレーかフィリップスのペダルですね。(小池一介)