ホイール・ワールド誌
THE WHEEL WORLD
No. 1., VOL. 1. MAY, 1880.
日本自転車史研究会のブログ Copyright © Yukio Ootsu
ホイール・ワールド誌
明治初期のヴェロシペード
下の画像は明治初期のヴェロシペードと思われるが、正確な年代は分からない。或いは乗車している人物の頭髪や服装などから判断して明治中期だろうか。キャプションにも明治中頃とあるから明治15年から20年ごろかもしれない。ただし三輪車の形状としては1860年代のヴェロシペードを彷彿させる。
このヴェロシペードは欧州から輸入されたか、あるいはそれを日本の職人が見よう見まねで模造した足踏みの後輪駆動式三輪車であり、前方はやや小さな操舵車輪が1つ、後方に大きな駆動車輪が2つ配置されている。後輪が大きく座席を包み込むような独特の形状でメテオ型やラントーン型、或いは「提督の物語」に登場する三輪車にも似ている。
乗っている男性は、和服を纏い、マゲを結っているか明治初期の髪型をしている。文明開化の象徴である「西洋の新しい乗り物」と「伝統的な日本の格好」が融合した、この時代ならではの象徴的な光景である。
当時は「湿板(しっぱん)写真」と呼ばれる技術が主流で、撮影には数秒間完全に静止している必要があり、この三輪車が偶然通りかかったわけではなく、「新奇な乗り物に乗っている姿を記録する」という明確な目的を持って、カメラの前で静止してポーズを取っていたと考えられる。
キャプションに「東海道柏原の松並木と富士」(明治の中頃)とあり、
東海道の宿場町のひとつ「柏原」(現在の静岡県御殿場市付近)で、木々の間から、雪をかぶった富士山が遠景に見えている。
バイシクリング・タイムズ誌
社説
最近、「街の害獣」という見出しで当紙に掲載された多数の手紙は、良質な砂利道、アスファルト舗装、または木製舗装に恵まれた地域に出没する、いわゆる「蝶のように走り回るサイクリスト」について再び取り上げる理由となるでしょう。良質な道路がサイクリストにとって大きな魅力であることは十分に認めますし、一日中仕事をしている男性は、特に冬の短い日照時間の間は運動するのが非常に難しいことも認めます。また、夏にどれだけ運動をするかによって、冬に運動ができなくなると体調が悪くなるかどうかも気になるところです。いずれ、精力的な投機家が、電気照明などで十分に照らされた立派なトラックを整備し、冬場には自転車を保管できる部屋も設け、週に1、2回通うことで、筋肉と内臓の両方に必要な運動を楽しむことができるようになるでしょう。そうなれば、広場を猛スピードで走り回るライダーの言い訳はなくなります。それまでの間、私たちは、そう続ける人々に、注意が必要であることを強く訴えたいと思います。そのようなライダーは、道路の状態が良い場所にしか行きませんが、自転車乗りが良い道路に出ると、町で安全に走行できる速度をはるかに超える速度に達することがわかっています。・・・
梅津大尉自轉車談
サイクリング誌
下の資料は、1907年11月20日発行のイギリスの自転車雑誌『Cycling』の表紙。
CYCLING No. 879. Vol. XXXIV.
サイクリストは何をすべきか?
上記の図は、よくある事例を示している。自転車と自動車の両方が路面電車を追い越そうとしているが、線路と歩道の間の道路幅が狭く、両者が安全にすれ違うことができない。両者とも狭い隙間に向かって全力疾走、路面電車が車線に進入する可能性がある。この事例では、自転車が挟まれ、路面電車に衝突せざるを得なくなる。これは、次のページから始まる記事で議論される基本的な交通問題の一例である。