スティーブンスの日本旅行記-⑬
同じような人生を送るうちに、彼はロンドン・グラフィック紙を研究してこのスタイルの洋服に夢中になり、横浜からその服を仕入れるために多大な苦労と費用を費やし、今や故郷の田舎町の人々の前で、自分を最も上品な人物として印象づけている。彼はダルマ 自転車に強い関心を示し―平均的な日本人よりもはるかに―西洋のスポーツ観念を吸収し、未熟で理解力のない同胞の前で、陸上競技の達人として振る舞いたがっているのだろうと推測する。全体として、この馬好きの若い紳士は、私がこれまで出会った「新日本人」の最も驚くべき代表例である。
冷たい霧雨が降り、次の日の旅の始まりである。あまりにも快適だった旅は終わり、雨と泥濘、そしてそれに伴う遅れがあったにもかかわらず、中国での経験の後では、日本での最初の数日はまさに楽園のようであった。中国に嫌悪感を抱く私の感覚に、太陽が輝き、天候と道路状況が好調だった日本での目新しさを初めて見た時、日本と人々からどんな印象を受けただろうか。
馬に乗った若い紳士が友人と別れを告げ、出発を見届けに来た。お茶係の女性は、私が到着した時から変わらぬ、とても楽しそうな表情で私に挨拶をし、他の客数人が私がサドルにまたがる間、自転車を支えると申し出てくれた。
下関より北の地域は山岳地帯で、いくつかの峰の頂上には雪が積もっている。道路は時折丘陵地帯で、曲がりくねった道を走る。
すべてがとても清潔で心地よい10ヤード四方ほどの小さな庭園には、小さな湖、洞窟、趣のある石灯籠、ブロンズのコウノトリ、花、そして矮小な木々が点在していた。しかしながら、長崎から続く不愉快な天候は、まるで復讐するかのように、私の旅の完遂を阻もうとしていた。
小さな谷から谷へと、それほど長い丘もなく、ゆっくりと進んでいく。薪と米を積んで、小馬を曳いた山間の農民たちが出迎える。蓑、菅笠、粗末な草鞋という彼らの古風な日本の衣装は、ダービーハットや騎手服を着た「新日本人」の同胞とは際立った対照をなしている。