2025年5月26日月曜日

スティーブンスの日本旅行記-⑱

 スティーブンスの日本旅行記-⑱

今日、私が巡礼路を走った道沿いの交差点や村の入り口に鎮座する仏像の多くは、更紗のよだれかけを着けている。現地の言葉に疎いため、その目的を判断することは不可能だ。このよだれかけは、宗教行事の特定の季節を象徴するものであることは間違いない。

1886年12月4日土曜日、岡山という重要な都市をゆっくりとダルマ自転車で走っていると、そこには豊富な食べ物、清潔で平坦な通り、店には豊富なヨーロッパ製品、そして常に興味深い人々が群がっていることがわかった。長崎を出てからこれまで、日本人以外の人に出会ったことはなく、ここで誰かに会うことも期待していなかった。しかし、嬉しい驚きが私を待っていた。主要な商業通りの一つの角で、二人のアメリカ人宣教師が現れたのだ。彼らはケアリー氏とローランド氏と名乗り、ここには3家族の宣教師が一緒に住んでいて、日曜日に招待された。また、自分の現在位置を確認する機会も得られた。長崎から下関まで通ってきた道のりの信頼できる地図や行程表は何も入手できず、日々の自分の居場所もほとんど分からずに旅をしてきた。初めて分かったのは、岡山であること、そして現在神戸から100マイル以内の地点にいるということだ。神戸では、マレーのハンドブックが道案内に大いに役立つだろう。

註、お地蔵さんの赤い前掛けは「子供を守る神様」として信仰されてきたことから、人々が「自分の子供が健やかに育つように」という願いを込めてよだれかけを奉納するようになったと云われている。


237頁
特徴的な山の近く

 マレー社日本旅行案内ハンドブック
1884年版