2024年10月1日火曜日

自轉車 第44号

 自轉車 第44号

梅津大尉自轉車談

半山生

軍用自轉車論

第三編 主戰自轉車隊に就て

第一章 自轉車步兵

主戰自轉車隊は、千八百九十一年初めて佛國に於て計畵せられ、次て千八百九十二年假規則に依って、該自轉車隊の存立を認定せらるるに至つたが、左の如き若干の注意を與へられた、 自轉車兵の速力特殊にして長途の行程に耐へ、之が運搬に些少の注意糧食を要するのみなるは、時として之に遊撃隊の任務を與へて襲撃を取らしめ、又は援隊に使用し得るの利益ありとす、

然れども現今の形状に於て自轉車兵は未た車体と獨立する能はず

是を以て主戰自轉車隊を使用するは頗る不確實にして目下條例を以て之を規定するを得ず

右の外各軍團長は衛戌地の演習統監として必要なる實檢を行ひ、以て之を確定すべきとを條例に指示してあった、爾來其實檢・・・


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日本自転車史研究会所蔵のコピー
以下同じ

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此自轉車は重量十二吉瓦、長さ一米突五〇、高さ○米突七五にして佛國イゼール州の首府ドメーヌに於て機械師シヤルル、モレール之を製作し、千八百九十四年十二月開設の展覽會に陳列し、近來に至り折疊式自轉車製造會社なるもの起りてモレール及びジェラールの專賣權を購ひ、車体をプジョー會社に於て、壓搾氣管をミシュラン會社に於て製造せしめている、 陸軍戶山學校に閑院宮殿下の下賜に依る該車一輛がある、又前號本誌口絵にある佛國自轉車隊の使用し居る車は即ち此ジェラール式車である

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奥付

ジェラール式折畳自転車と二宮五十槻少佐
雑誌「輪友」第8号 輪友社
明治35年6月5日発行より