スティーブンスの日本旅行記 パート2-15
10ヤード四方ほどの小さな庭園には、小さな湖、洞窟、趣のある石灯籠、青銅のコウノトリ、花、そして小な木々に囲まれていた。しかしながら、長崎から続く悪天候は、まるで運命のように、私の旅の終わりが快適なものにならないようにと思わせる。雨や泥濘、そしてそれに伴う遅れがあったにもかかわらず、中国での経験の後では、日本での最初の数日間はまさに楽園のように思えた。中国への嫌悪感を抱く私の感覚に、太陽が輝き、天候や道路状況も良好な日本という国とその人々を初めて体験した時、私はどんな印象を抱いていただろう。
周囲の地域は山岳地帯で、いくつかの峰の頂上には雪が積もっている。道は時折起伏に富んでいるが、小さな谷から谷へと曲がりくねりながら長い坂を下る。薪と米を積んだ仔馬を曳いた山間の農民たちが、出迎えてくれる。藤色の蓑、幅広の菅笠、粗末な草鞋といった古き良き日本の住民の衣装は、ダービーハットや騎手服を身につけた「新日本人」の同胞たちとは際立った対照をなしている。都会育ちの日本人の急速なヨーロッパ化、政府の進歩主義政策、青い制服を着た憲兵隊、そして国全体の革命にもかかわらず、これらの山里の民たちが祖先のやり方や方法、そして古風な衣装を捨て去るまでには、まだ長い年月が必要だろう。日本は今後数十年にわたり、山里の民の保守主義と自由主義的な都市生活者は興味深い比較対象となるだろう。一方は異国の衣服をまとい、異国の風習を真似し、あらゆる面で異国のやり方を取り入れる。他方は藤色の衣装、菅笠、草鞋、そして「古き良き日本」の伝統に執着するだろう。
ほとんどの農家は藁葺き屋根である。美しく整然とした藁葺きで、様々な工夫が施されていることは言うまでもない。中には、濃い緑色の低木でできた生垣に囲まれている農家もある。生垣は、上部が茶色の藁葺き屋根の延長のように見えるように刈り込まれており、茶色の藁葺き屋根は単に色を変え、地面に向かって同じ急勾配で傾斜しているように見える。この工夫は非常に魅力的な効果を生み出し、特に、きれいに刈り込まれた数本の若い松が、まるで家の周りの番兵のように生垣の上にそびえ立っていると、その効果は際立っている。今日見られた比類のない「樹木剪定」の一つは、山を模して刈り込まれた低木である。