2009年5月2日土曜日

中村春吉(1)

                  ボストンに於ける中村春吉

 自転車世界無銭旅行者の中村春吉については、押川春浪の冒険小説『中村春吉自転車世界無銭旅行』や横田順彌の『幻綺行 中村春吉秘境探検記』、『大聖神 中村春吉秘境探検記』、『日露戦争秘話 西郷隆盛を救出せよ』、『明治バンカラ快人伝』など多数出版されています。いまさら同じようなことを書く必要もありませんが、当時の雑誌などに掲載された記事を中心に紹介したいと思います。

ニューヨークに於ける中村(雑誌「自転車」第33号、明治36年5月10日発行より抜書)

米国の「自転車世界」という雑誌にニューヨークに到着したことを報じているとあります。

去る土曜日にニューヨークに現れたり、彼は発熱のため・・・(どうやら風邪をひいたらしい)
中村は1901年11月に東京を出て世界旅行の途に上れり、・・・(横浜港を1902年2月25日に出帆したと思っていましたが、スタートは東京だったのでしょうか)

故郷山口県にては彼は六百人の生徒を有する慈善学校の教師なり、・・・(馬関忍耐青年外国語研究会のことのようです)

我が用いたるアメリカ製自転車は充分満足を与えたり、・・・(彼がこの世界一周旅行に使用した自転車はアメリカ製のランブラーです。あの志賀直哉も乗っていた自転車です)

略歴は下記のとおりです。
1872年(明治5)広島県豊田郡豊町御手洗に生まれる。
1893年(明治26)ハワイへ移住。
1897年(明治30)ハワイより帰国。
1898年(明治31)下関で「馬関忍耐青年外国語研究会」という英語塾を開く。
1902年(明治35)2月25日 自転車世界一周のため横浜港を出帆。
1903年(明治36)5月10日 世界旅行から無事帰還。
1904年(明治37)『中学世界』(春期増刊号)に「無銭冒険自転車世界一周」(押川春浪編述)が掲載される。
1912年(大正元)『快男児快挙録』河岡潮風作 東京堂で出版。
1925年(大正14)東京市四谷に「中村霊道治療所」を開設。
1928年(昭和3年)同治療所を弟子に任せ故郷の御手洗町へ帰る。
1945年(昭和20)2月 死去。