中村春吉の無銭旅行について、当時もいろいろな意見があったようです。
松田歴山という人は、
無銭旅行、言い換えれば乞食旅行だ。紳士として好ましくない。なぜ金を貯えてから旅に出ないのか。湯本の福住などへよくずうずうしく只で泊めてくれと言えたものだ。天竜川でも橋銭を払わずに渡ろうとした。教育者としていかがなものか。ベルやポンプが3日と経たないうちに壊れるとは、世界を周遊しようとする人の用意とは思われない。縁もゆかりもない宿屋などは気の毒である。このような旅行は中止した方がよい。
と手厳しい批判もありました。
明治35年2月13日発行の雑誌「輪友」第4号より。