2009年5月2日土曜日

中村春吉(2)

                イギリスのリバプールにて

 世界一週の自転車乗(下関市の一青年倫敦に入る)
 雑誌「自転車」第31号、明治36年2月28日発行より抜書き

倫敦エキスプレスの記者に語れる所によれば彼は日本山口県馬関の者にて中村某といい自転車の世界一周を思い立ちて既に其一半を終わり先ず日本を発足して支那、印度、露西亜、白耳義、仏蘭西国を縦断し伊太利、土耳古をも訪いたり・・・
(この頃まだ日本国内では中村春吉の自転車世界一周旅行について、それほど話題になっていなかったのでしょうか。中村某とあるところを見ると、関心の度合いも分かるような気もします。明治37年に押川春浪の冒険小説「中村春吉自転車世界無銭旅行」が『中学世界』に発表されてから彼の知名度が上がったようです。