2023年12月13日水曜日

足踏車

 足踏車

下の写真はレオナルド・ダ・ヴィンチの足踏車。

「発明家および技術家としてのレオナルド・ダ・ヴインチ」

フェルドハウス 著、 中野研二 訳 慶応書房 昭和17年7月8日発行

足踏車 (第六十六図)

蒸気機関の時代以前には、人間又は動物がその中又は上で踏む足踏車が原動機として大なる意義を持つていた。

Cod.atl.378 TRにレオナルドは回轉弩 (Revolver-Armbrust) とでも云ひうる機械のための巨大な足踏車をスケッチしている。大きな、幅の広い車が固定軸の周りに回転する。その周りには四つの重い弩が取付けられている。軸の下の特殊な架台の上に射手が吊られている。彼が一つの射撃をするや否や、彼は軸の周りに付いてる綱を彼の頭上にあるの弩の弦に結びつける。次に彼は、全足踏車を要塞の壁にして固定せしめる閂を後ろに引く。足踏車の上を - 重い板屋根で保護されて - 踏み進む人間は、今や車を四分の一回転だけ運動させる。これによって弩は張られ、同時に銃眼が近づく。今や足踏車には再び閂が入れられ、射手はその射撃を発することができる。この方法によって極めて大なる速度で射撃される。

レオナルドはこの図に説明文を與へていない。彼はたゞ足踏車の上を踏む人間の上に「十人で二千ポンド」 と注意書きしているだけである。

註、レオナルド・ダ・ヴィンチは、15世紀から16世紀にかけて活躍したイタリアの画家、彫刻家、建築家、科学者、発明家。彼は、数々の画期的な発明や作品を残し、ルネサンス期を代表する天才として知られている。


車 (第六十六図)
国会図書館所蔵資料