2011年3月25日金曜日

ジョージ・セイヤー

 1886年、アメリカ人のジョージ・B・セイヤー(1853-1928)は、オーディナリー型自転車を利用して北米大陸を往復しました。その走行距離は11,000マイル(約18,000km)にも達し、かかった日数は7ヶ月間でした。
 彼の使用した自転車は、ニッケルメッキをほどこした美しいコロンビア製エキスパートというモデルでした。前輪のサイズは46インチでした。因みに私の身長は170センチですが、50インチのオーディナリーに乗ります。ですからセイヤーはアメリカ人にしては比較的小柄であったようです。この自転車には最新式のラキン走行計も前輪のハブに取り付けられていました。
 1886年4月10日に彼の故郷であるコネチカット州ヴァーノンをスタートし、北米大陸を西に向かいました。彼が通過した主な都市は、クリーブランド、シカゴ、デンバー、ソルトレークシテー、サンフランシスコで、このルートは、スティーブンスが1884年に通ったルートとほぼ同じでした。ただし、スティーブンスはサンフランシスコからボストンへ向かって走りました。
 セイヤーは、サンフランシスコに1886年7月29日に到着しています。
 帰路は、少し南よりのルートを東に向かいました。デンバー、セントルイス、ケンタッキー、ウェストバージニア、メリーランドをとおり、11月にコネチカットに戻ってきました。
 トーマス・スティーブンスは、前人未到の自転車世界一周旅行を成し遂げましたが、彼のツアーもそれに劣らず、素晴らしい快挙と言えるでしょう。