自転車関係資料-159
この本は「自転車で東海道を下る」ロバート・デヴェロール、ハマナカ・カズミ 共著 1954年発行 全158頁
Down the Tokaido by Cycle
Robert Deverall and Kazumi Hamanaka 1954.
1954年、東京から神戸までの自転車による東海道旅行記。
一部抄訳、天気は曇りがちであった。平塚を過ぎ、小田原への道の右側にある有名なこぶのある丘(大磯の高麗山・湘南平)を通り過ぎた。
美しい大磯を通り抜け、吉田総理の家を見つけようとしたが分からず、国府津まで行く。海岸が見え、太平洋の波の音が聞こえてきた。
翌日、降っていた雨は止んだが、山や谷を覆っていた雲の所為で、まだ富士山は見えない。
小田原からの急な坂を思い出しながら、箱根を横切って沼津へ向かう道について少女に尋ねたら、「ああ」と彼女は優しく微笑みながら言った、「ここからは全て下り坂です。自転車に乗って沼津まで惰性で下りてください」と。
ホテルのスタッフはまるで私が子供の頃からの友達だったかのように別れを告げるために並んで見送ってくれた。
自転車に乗りながら、背の高い荘厳な松並木、遠くの富士山と靄った視界、谷沿いにたたずむ箱根の小さな集落。私たちは文字通り箱根の山中に入った。