昨日のブログ「ハタヤの工具」のところでふれたコマヤについて、昨日、何気なく昭和13年発行の「名古屋自転車商工業便覧」を眺めていたところ、偶然に自転車、部分品、附属品製造及販売業者の一覧、工具の部でコマヤを発見。やはり40年ほど前に浜松の小栗自転車店で聞いた話は記憶違いではなかった。その時の話は「昭和初期に使用していた自転車専用工具はハタヤとコマヤであった」と小栗さんが話してくれた。その時に工具も見せてもらったはずだが、まだこのころは工具に興味はなく記憶に残っていない。小栗さんは当時既に83歳という高齢であったが腕は確かであった。どこの店に持って行っても修理ができなかったスターメイ・アーチャーの内装ハブを数日で直してくれた。小栗さんの店にはほとんど新しい自転車は置いてなく、天井から古いフレームが下がっていたり、中古の自転車が数台置いてあった。修理用の大きなテーブルに万力があったことが記憶にある。小栗さんの店を紹介してくれたのは、他の自転車屋さんで、小栗さんに頼めば大概のものはなんでも修理してくれると聞いていたからである。なるほど腕は確かで、他にも修理を依頼したら完璧に直してくれた。いつも修理だけでは悪いので、2台ほど中古車を組み立ててもらった。現在は錆びだらけで放置状態になっているが、そのうちの1台はいまだに手元にある。フレームは昭和22年製の岡本ノーリツ号である。敗戦後に航空機の部品であるジュラルミンで製作した自転車で、三菱十字号とともに文化的価値ある自転車だ。ただしこの自転車はフレームのフォークに欠陥があり、いつ折損するか不安で乗ることができなかった。確か数回乗ったが危険を感じ、その後一度も乗っていない。
話はコマヤからだいぶずれてしましたが、昨日は記憶違いではなかったことが、何よりの収穫であった。今後はいまだに見ていない実物の工具をみることである。今日も行きつけの自転車店へ行き、自転車専用工具を何点か見せてもらったが、その中にコマヤの工具はなかった。しかしハタヤの工具は4点見ることができた。
以下がその工具である。これからもコマヤの資料と工具の現物を探求したいと思う。