大正期の写真
下の写真は関東大震災前のもの、「自転車の経済と其活用」渡辺承策著 大正12年発行より、
1923年(大正12年)9月1日午前11時58分に地震発生であるから、それ以前に撮影されている。当然ながら自転車に乗る人々は誰も大きな地震が来るとは夢にも思っていない。よく見ると笑顔の表情である。
東京都内のある交差点のようすだが、自転車が庶民の足であったことがこの写真からもよくわかる。市電はあるが自動車は見当たらない。中央のやや左寄りには手動式の信号機もある。右端の自転車には大きなアセチレンランプも付いている。
全体的な写真の構図は少し不自然にも思える。ことによるとこの写真は渡辺承策の演出であるかもしれない。考えすぎであろうか。