2023年7月16日日曜日

ドローンの原型

 ドローンの原型

昨日、1865年発行のサイエンティフィック・アメリカン誌でラントーンの記事を見ていたら、次のページに衝撃的な図が目に飛び込んできた。まさにこれはドローンの原型である。荒唐無稽に思われるが既にこの時代にこのようなことを夢見ていた人物がいたのである。

現代のドローンはこの鳥がプロペラに変わっただけである。人類の夢であった空を自由に飛ぶと云う挑戦がいろいろな発想のもとに実現化されたのである。この図を見てそのように感じる。単なる空想として捉えるか、科学として捉えるかの差は大きい。この装置を考案した人物は下の解説を読むと真剣に考えていたことが分かる。戯言として一蹴することは出来ない気がする。それが科学である。

下の図が、「ドローンの原型」

取りあえず名前を付けてみた。

Drone prototype, Scientific American、SEPTEMBER 23, 1865.


195頁の図

図を拡大

195頁



天然飛行機(抄訳)
編集者: あなたは最近、飛行機械をテーマにしたいくつかの記事を発表しており、したがって、人間が空を支配する時代が来ると疑いなく信じ、この問題についての議論を誘うつもりであると推測される。

私は、何年も前に思いついたものの、実験を行う機会を見つけられなかった、一見単純で実行可能に見える計画を提出することにした。 それは人間が地上で既に行ったことを実行すること、つまり人間に与えられた野鳥の力を利用することである。
まず、この目的を達成するために鳥を訓練すること。 翼の強さと飛行の持久力で知られる鳥はたくさんいる。 特に、茶色のワシとアメリカの白鳥は、それ自体を暗示している。 私はそのような鳥を何羽か入手することを計画する(おそらく白鳥が最も罠にかかりやすいが、それは疑問かもしれない。夏の暑さに耐えられるかどうか)。 鳥の体の体重に加えて機体も上げて維持する能力を実験によって確認し、体に巻き付けたジャケットと紐で、人間が立っているのに十分な大きさのバスケットを支えるフレームを取り付ける。 または座って正確に、クロノメーターが全方向に自由に振れるのと同じように、鳥の体の大部分がバスケットよりも低い位置になるようにする。 フレームワークは中空である必要があり、カゴに乗っている人から装置につながるコードの通路を確保するために、最小限の重量で最大の強度を提供する必要がある。
各鳥の背中や翼に取り付けられ、それによって運転手は翼を閉じて降下を促したり、飛行のために翼を開いたりする。 コードの配置は、鳥の頭をどちらかの側に引き寄せることによって、飛行の方向を制御する。
計画のスケッチを提示するが、これは製図者には理解できるだろうし、彼によって改善されれば、説明付きで一般の人々に提示できるかもしれない。
ワシはしばしば爪で子羊や子供を運び去ると云われるので、私は10羽の鳥の使用する図を描き、それぞれが20ポンドを運ぶことができると推定した。 サークルはできるだけ簡単に拡大したり、外側に別の円を追加したりすることもでき、中央のカゴと同様に、各鳥がその円内であらゆる方向にスイングする可能性がある。
ボルチモア、1865年8月30日。

表紙
Scientific American
SEPTEMBER 23, 1865.

194頁
ラントーンの記事

ラントーンの部分を抄訳、
改良されたベロシペード
この発明は、乗客またはライダー自身によって推進される乗り物であり、手と腕によって操作され、レバーと足踏みにより駆動。レバーはクランク付き後部車軸に接続されている。
この車は、昔ながらのベロシペードを完全に置き換えるように設計されている。
それははるかに高い速度を達成し、簡単に制御できる。時速8~12マイルで走ることができる。
この車は、イギリスで最初に発明され、その国で特許を取得。その後、アメリカでも特許を取得している。
各種のサイズとスタイルがあり、素材は錬鉄製で、若者や高齢者のために設計されている。
子供でも適応したサイズのマシンを操作し、補助なしで高速に推進することができる。
イギリスでは人気があり、体のほとんどの筋肉を動かすので、この車の所有者は体育館のミニチュアとも呼んでいる。
1864 年 9 月 13 日、ジョゼフ・グットマン(Joseph Goodman)は、サイエンティフィック・アメリカン特許庁(Scientific American Patent Agency) を通じて米国で特許を取得し、そして、ニューヨークのシー・ピー・ボタン( C. P. Button) に譲渡した。詳細については、ブロードウェイ、192番地の J. R. ポメロイへ。
または、キャナル・ストリートの248 番地でワーキング・モデルを見ることができる。米国での特許製品を販売している。