自転車関係資料 - 259
少年園 第99號 1892年(明治25年)12月4日発行
この「少年園」の記事は既にこのブログでもお馴染みの、フランク・レンツ(Frank G. Lenz)及びアレンとサフトレーベン(Thomas Gaskell Allen and William Lewis Sachtleben)の自転車世界一周である。
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自轉車世界漫遊者。
米國紐育自轉車倶楽部會員レンジ氏は、自轉車にて世界漫遊を思ひ立ち、此程我が東京に来りしが、是より陸路長崎に至り、香港に航し、印度を經て、歐羅巴を巡廻する目的なりといふ。然るに今一層壮快なる報道は、同國人アレン及びサクトベンの両氏は、去秋自轉車にて土京コンスタンチノブルを出発して、中央亞細亞を通過し、近頃支那に達したりとなり両氏が此企は、實に危険なるを以て、之を止めしもの多かりしに、両氏は、物の数ともせず、言語不通不知案内の地に入込み、種々の艱難に打勝ち、其目的を遂げたりといふ。
乗馬と乗車の差はあれども、我が福島少佐の遠征と一対の壮図といふべし。