2023年7月5日水曜日

山本飛騨掾のカラクリ

 山本飛騨掾のカラクリ

月刊 芸能 1992年4月号  特集 からくりと芸能 より

下の図を見ると何となく竹田近江の陸舩車を思わせるような車(舟だんじりのからくり)が描かれている。

紐を引っ張ることにより動く、これが人力自走式ならまさに陸舩車である。

同じく26頁にはお馴染みの竹田近江の陸舩車もあり。


座敷からくり人形 山崎構成(一部抜粋)

図1は山本飛騨のからくり人形の絵図。一台ずつ見物衆の前に搬び出し口上役が進行をつとめるのであろう。 絵の右上から三月のていからくり、 かおみせ三番叟からくり、五月のていからくり(右は雛人形、左は五月幟の中央にかお見せ三番三からくりという三番叟が自動的に回転している様に見える。これは下にある長持ちが舞台となるからくり、この中に仕掛けがあるらしい)。人形酒つぐからくり。 六月舟だんじりのからくり人形がそれぞれ身振りする歯車仕掛け。 動力は右にたれている紐をひっぱるとみな動く仕組のもので、化政期の子供の曳く動く子供山車(雛山車とも云う)に似ている。・・・


21頁
山本飛騨のからくり人形の絵図
国会図書館所蔵資料


山本飛騨掾(やまもと・ひだのじょう)
生没年不詳
江戸前・中期に人形浄瑠璃の大坂出羽座を中心に活躍した人形遣い、浄瑠璃作者。
京都の人。からくり細工と糸じかけを応用した手妻人形をあやつり、名人とうたわれた。
元禄13年(1700年)飛騨掾、翌年河内掾を受領。
「かりがね文七一周忌」などの浄瑠璃台本もかいた。前名は山本弥三五郎。

26頁
月刊 芸能 1992年4月号 
国会図書館所蔵資料