輪業世界 - 1
「輪業世界」第40号 大正10年6月15日発行
編集者の緒言
誠心誠意那邊に在る歟
世に誠心誠意を有する人の鮮なきは恰も暁天の星の如きものである、と古人も謂つて居るが、戦後我邦の人心に就て見るに其弊一層甚だしきを感ずるは慨嘆の極みである、一二の例を舉げても首都の府尹にして不正の疑ひを受け、一長官にして亦不義の富に眩惑した者もあり、夫は妻に對し 妻は夫に對し、親は子に對し、子は親に對し、主は従に對し、従は主に對 し、師は子に對し、子は師に對し、友は友に對して果して誠意の一貫せるものありや・・・・
主幹 清水 卓
註、自転車とオートバイの専門誌としては、当時の時代背景を強く感じる清水主幹の第40号の緒言である。
日本自転車史研究会
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以下同じ
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