2011年4月13日水曜日

貸し自転車-4

 この画は、明治3年頃から明治10年頃までに描かれた各種錦絵に登場する自転車を掲載したものです。二輪車を見ますと、構造的に走行するには実に不自然な形態をしています。手前の二輪車は一見するとミショー型にも見えますが、構造的に無理があります。絵師は何を見て描いたのでしょうか。本当に不可解な構造をしています。三輪車の方は、二人乗りと一人乗りですが、明らかにイギリスのラントン車の影響を感じます。構造的にも走行は可能でしょうが、如何にもその動きは鈍重に思えます。恐らく明治9年の貸し自転車は、このような一人乗りのラントン型三輪車であったと思われます。この程度のものであれば当時の日本の技術でも製作は可能であったはずです。

 「明治奇聞」は、宮武外骨により当時の新聞雑誌などから珍奇な記事を蒐集し、出版されたものです。