この写真は既にこのブログでも紹介済み(2009年4月15日)ですが、あらためてじっくりと見たいと思います。
撮影場所は、上野の水茶屋で明治25年頃と思われます。撮影者は横浜の弁天通一丁目にあつた玉村写真館の玉村康三郎です。
このダルマ自転車をよく見ますと、エナメルメッキされたアメリカ製のオーディナリーのようです。おそらくコロンビアのエキスパートモデルではないでしょうか。ハンドルはカウホーン型に見えます。洋装をしている男性は日本人で富裕層に属する人でしょう。左側に座っている女性と比較しますと、わりと小柄な男性であることが分かります。自転車のサイズも42インチから46インチといったところでしょうか。
撮影年月を明治25年頃としましたが、コロンビア製ということになりますと、もうすこし時代をさかのぼり明治22年頃の可能性も否定できません。トーマス・スティーブンスの影響をまだ色濃く残している年代だと思います。