スティーブンスの日本旅行記 パート2-4
日本人以外の人々であれば、このような挨拶は卑屈に映るだろう。しかし、この比類なき人々は、自分たちの行動が卑屈だと考えていない。日本人は素晴らしい民族だ。彼らは誰よりも幸福な人々であり、常に笑顔で温厚で、礼儀正しく穏やかで、頭を下げる。
魚介類の料理とご飯がたっぷり並んだ夕食の後、宿の主人は頭を下げ、私のパスポートを要求した。宿の主人は、警察に呼び出されない限り、パスポートを警察署で検査してもらう義務がある。
日本政府は、国の制度改善に努める中で、様々な国の改革制度を導入してきた。西欧諸国に関係者を派遣し、教育、警察、陸軍、海軍、郵政、司法などの制度を調査し、報告させた。そして、様々な制度の中で最良と考えられたものが、日本の新たな出発点に立ち、西洋文明を取り入れるモデルとして選ばれた。例えば、警察制度はフランス、司法制度はイギリス、学校制度はアメリカをモデルとしてる。こうした改善策を導入した日本は、物質的なものを模倣する際に見せるのと同じ細心の注意を払って、踏襲しようとしている。日本では、おそらく他のどの国と同様に、精緻な警察制度は役に立たないだろう。しかし、フランスの素晴らしい警察制度を手本に選んだことで、彼らは今や、何ら欠点のない警察制度を誇ることができる。
大村からは、立派な松並木が広がる。左手には大村湾があり、道路は時折そのすぐ海辺を通る。一箇所に祠(鹿ノ島弁財天)が見える。この祠は、荒々しい岩の土手道で繋がっている。この小さな島は暗い松とギザギザの岩に覆われており、その中に祠を構えている。中国人も日本人も、礼拝や宗教施設の建設には、最もロマンチックな場所を選ぶのが好きなようである。
日中は暖かく、夜中に大雨が降ったため、道路はところどころでぬかるんでいるが、大部分はきれいな砂利道である。