2025年6月23日月曜日

スティーブンスの日本旅行記 パート2-9

 スティーブンスの日本旅行記 パート2-9

雨のため、筑紫(Futshishiとあるが?)で一日休まざるを得ないが、我慢できないほどではない。店主は盲人で、三味線を弾き、娘たちに芸者ごっこをさせて私を喜ばせた。筑紫では牛肉も鶏肉も美味しく、日本のほとんどの町と同じように、魚料理も非常に美味しい。

雨上がりの天気は晴れ渡り、霜が降り、福岡への道はまさに快晴だった。田舎は相変わらず魅力的で、人々は礼儀正しく感じが良い。朝のダルマ自転車に乗っていて目にした珍しい光景は、道路で作業する大勢の囚人達だった。彼らは軽い鎖で繋がれ、きちんとした茶色の制服を着ており、自分たちの仲間ではない、罪のない人間の世界を、まるで申し訳なさそうに見つめているかのようだった。彼らの真剣さと滑稽さが交錯する顔を見ていると、彼らが冗談を言う以外に何か悪いことをしたとは想像しがたい。実際、鎖で繋がれ、刑務官に厳重に監視されていること自体が、深刻な出来事とは程遠いように思える。

福岡には、小柄でスマートな軍人風の騎兵隊員が黄色い紐の制服を着て現れ、学校や警察、電信技師と同じようにアジア人らしくない格好をしている。人力車との衝突で頭を打ったこと、小柄な日本人との衝突でひっくり返されたこと、そしてボブテールの猫(短い尻尾の猫)との衝突で猫の尊厳を傷つけたことなどが、福岡の思い出に刻み込まれている。人力車の数と人々の独特な習慣を考えると、一日中、衝突を防ぐために、猫のように注意深く見張っていなければならない。平均的な日本人は、家のドアを後ろ向きに出て、お辞儀をし、道路の真ん中に出て、訪問してきた友人や、贔屓にしていた店主にさえ別れの挨拶をする。村を通過するとすぐに、誰かがドアから後ろ向きに出て、ダルマ自転車のすぐ前を通り過ぎる。

道沿いでよく見かける奇妙な光景は、1エーカーか2エーカーの土地に紙製の日傘(和傘・番傘)が敷き詰められていることである。糊付けされ、糊で固定され、色付けされた後、市場に出荷される前に天日干しされている。傘と提灯は、日本の旅行者にとって衣服と同じくらい重要な装いの一部となっている。最近では、衣服は和服とヨーロッパの衣装が奇妙に混ざり合ったものも見られる。外国の革新的なものへの憧れはあらゆる階層に浸透している。


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長崎街道の筑紫神社付近
Googleストリートビュー
以下同じ

長崎街道
左は筑紫神社の森