スティーブンスの日本旅行記 パート2-7
佐賀の道は平坦で、どこまでもダルマ自転車で走れる道が1マイル以上続く。何百人もの子供たちが合唱で歌っている大きな校舎を通り過ぎ、地元佐賀の名物である大きな青銅の仏像を過ぎると、道はやや起伏のある田園地帯を抜ける。概ね全行程をダルマ自転車で走れた。道中には、杉の並木が点在する。荷馬や牛を連れた農民の群れに出会う。馬は、まるで凶暴な小悪党のようで、従者というよりは、むしろ主人のように思われる。
日本の馬は、きつい腹帯や過積載、そして他の国の馬がおとなしく我慢している様々な屈辱を嫌う。彼らの要求に応えるため、20フィートの紐の先で気ままにのんびりと歩くことが許され、馬体は華やかな装飾で飾られている。馬の独特な性格は、他の国の馬のオーソドックスな方法に倣って怖がらせるのではなく、見た目が気に入らないものには何でも闘志を燃やすことだ。この特異性は、私にとって非常に興味深いものとなる。馬が私や自転車に腹を立てるときの通常の動作は、後ろ足で立ち上がり、キーキーと鳴きながら鼻息気を吐き、同時に私に近づいて噛みつきたいという態度を示すことだ。このため、農民の一団とすれ違うときは、私は常に用心深くなければならない。というのは、農民たちは、馬の行動によって絶対に必要になるまでは、馬を拘束することを考えていないからである。
人力車は今ではかなり頻繁に見られるようになった。逞しい手足の男たちが引く人力車は、生まれたときとほとんど変わらない裸体で、時速6マイル(約9.6キロメートル)の速さで駆け抜ける。瓦を積んだ重い手押し車を田舎の工場から街まで曳いている男たちも見かける。中国ほどではないにせよ、重労働のほとんどは人間が担っているようだ。
どの町や村でも、ヨーロッパ製品の様々な模倣品に驚かされる。真面目で滑稽なこの人々が、名前、商標、そしてあらゆるものまでも模倣しようと試みた結果、滑稽な錯誤が至る所で見受けられる。本日、昼食をとった食堂の一角には、ギンガムチェックの傘を製造している傘職人が数人いる。どの傘にも「ジョン・ダグラス、マンチェスター」という社名がしるされている。