スティーブンスの日本旅行記 パート2-29
私の宿の近くの板張りの囲いの中で、12人の力士が入場料2銭を払った群衆を前に相撲の興行を行っている。日本の力士は、長年の慣習によって一般社会から隔離された独自の階級、あるいは身分を形成しており、同業者の娘以外との結婚には偏見を持っている。力士の階級には常に最も勇ましい筋肉質な男が居るため、この排他性と身体的に劣る者との混血がないので、まるで別の人種であるかのように区別された人々が形成されている。日本の力士は、同胞の平均よりも頭一つ分背が高く、体重は2倍ほど重い。彼らは、時折提唱されてきたマルサスの計画によって人類の身体的改良において何が達成されるかを示す興味深い例となっている。
12フィートの土俵で、屈強なアスリートたちが制覇を目指し、持てる力と技のすべてを注ぎ込む。裸一貫で、褐色の体の筋肉が不規則に隆起し、彼らは互いに投げ合う。侍の紋章が入った完璧な灰色の衣装をまとった威厳のある行司が傍らに立ち、漆塗り軍配を振りかざし、威厳のある声で勝敗を決する。
力士たちは土俵の周りにしゃがみ込み、寒さに震えながら、行司に呼ばれるまでじっと座っている。呼ばれた二人は、柱に吊るされた塩の入った籠から塩を一つかみ取り、互いに撒く。そして土俵に進み出て、さらに素足で地面を踏み鳴らし、優れた筋力を見せつけるように相手に挑戦する。軍配を持った行司からの指示で、力士たちは激しく突進し、相撲を始める。これは通常、30秒も経たないうちに、どちらかが決定的な勝利を収める。行司は二人を土俵から下がらせ、姿勢を正し、傲慢な表情を浮かべている。
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力士