自転車関係資料-211
この雑誌は「小国民」 第5年6号 1893年(明治26年)3月15日発行
前回の軍用自転車の内容は以下のように日本でも紹介されていた。
表紙
目次
軍用自転車の記事
裏表紙
スクラップ帳より
◎軍用自転車
自転車は近来我国にても随分流行することとなりしが、西洋にては近ごろ之を軍用にまで充るに至れり。 行軍中若くは戦争中、急便を要する場合には、兵士をして自転車に乗らしむ。 勿論此等の兵士をして平生自転車に乗ることを訓練せしむるものなり。 現にフランス(仏蘭西)、ゲルマン (日耳曼)の如きは其実例を示せり。 殊にイギリスの如きは、自転車をして軍備を運ばしむるに至れり。 但し自転車にて運搬せしむる軍備は左まで重大なるものにあらず。 此軍備運搬に使用する自転車は、皆二輪より成れるものにして、 都合 6台を一列となし、その最後の自転車に運搬すべき軍備を乗せたる車をつなぎ、 6台の自転車には、各兵士二人ずつを乗せしめ、 第一の自転車の先乗りを為せるもの、 適宜に其方向を転じ行くなり。 其進行の速力は、 道路の難易に従て、一様ならずと雖も、概ね一時間に就きわが3里半より6里なりと云う。 図にて其概略を知べし。
(明治26年3月15日発行、 第5年6号)