ノーフォークのバイシクル
THE "NORFOLK" BICYCLE
これも「英国のメカニックそして科学と芸術のミラー」1869年7月30日号
「THE ENGLISH MECHANIC AND MIRROR OF SCIENCE AND ART」
July 30, 1869.
註、これもベルトドライブ方式の自転車。バイシクルとあるので、二輪車である。
この時代、既に二輪のベルトドライブ方式の自転車があったことは驚きである。
ことによりとこれが自転車の元祖になるのかもしれない。
しかし、世界最初とか元祖という言葉ほどあてにならないものはない。ラーメン店の看板ならいざ知らず、自転車も常に進化の過程の中からいろいろなものが登場したことを思えば、最初だの元祖だの語句は無意味である。過去から現在そして未来、歴史は常につながっている。ものごと最初や最後で区切ることはできない。例えあったとしてもそれは限定的なものに過ぎない。
だからこの自転車も正確には初期の自転車ということになる。1817年のドライジーネもしかりである。
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ノーフォークの自転車(抄訳)
THE "NORFOLK" BICYCLE
私のデザインである自転車のスケッチを送る。これは、現在流行している一般的な自転車よりも優れていると思う。そもそも速度が2倍で、フレームの両側に 1つずつある2つの駆動プーリー A. は、駆動ホイールの車軸上の2つの直径の2 倍であり、駆動プーリーの 1 回に対して2回転する。
クランクはない。足踏みは滑車にある。
滑車は、ストラップまたはコードで接続されている。
自転車を時速12マイルで運転するという自慢話を聞いたことがあるが、その歌にあるように、それが真実であるとは信じられない。
駆動輪の円周が 9フィートで、これが一般的なサイズだと思う。時速12マイルの速度で進むとなると、クランクは1分間に117 回、1 秒間に2 回ほど回転する必要がる。
私の自転車の操舵は良くなっている。通常のものでは、クランクを押すたびにホイールがねじれる。
私の考えでは、ヴェロシペードのハンドルはドライバーの近くにあるべきではない。
先日、自転車に乗っている2人のライダーが、片方は車輪にズボンを絡め、曲がる際に接触しているのを見かけた。
これを避けるため、ビスのズボンに2つの革のパッチを巻いた。
サドルBの後ろに配置されたブレーキ Cは非常にシンプルで、ライダーが体重を乗せることによって作動する。
フレームまたはバックは木製である。必要に応じて、運転席を前に、或いはハンドルを後ろに置くこともできる。
後輪 は、3フィート。前輪は2フィート。
読者の意見を聞かせていただければ幸いである。
最近、ヴェロシペードのローイングモーションが話題になっている。
「スタント」マシンではローイングモーションが見えない。ローイングでは、両方のオールが連動するが、マシンのレバーは連動しない。
私は、直進時に両方のレバーが連動し、ボートのオールとまったく同じ位置に配置し、ロング・ストロークまたはショート・ストロークのいずれかを採用することができる設計図を1つ持っている。
編集者がスペースを空けることができれば、そのスケッチを送る。(編集者、そのスケッチは喜んで受け取る)
フレデリック・ W・シアリング、フェルトウェル、ノーフォーク
FREDERICK W. SHEARING、 Feltwell、 Norfolk