これもラントーン型
先日、PDF版の「自転車の誕生」ニック・クレイトン(THE BIRTH OF THE BICYCLE、Nick Clayton、2016.7.15発行)を眺めていたら下の写真が目に留まる。この写真の提供者はカナダの自転車史研究家、コレクターでもあるローン・シールド氏だ。私も何度か彼からメールをもらっている。
本文には、
1863年にジョセフ・グッドマンは、手と足で推進するラントゥーン三輪車の特許を取得した。そして、水晶宮で行われたレースで優勝。
1863年にジョセフ・グッドマンは、手と足で推進するラントゥーン三輪車の特許を取得した。そして、水晶宮で行われたレースで優勝。
と簡単に触れている。
写真のラントーンは、ジョゼフ・グッドマンの考案したものと明らかに異なっている。むしろその形状は年代的に古いのではと思える。車輪の具合はむしろ日本の寅次郎が制作した自転車(三輪車)に近い感じもうける。ただし日本製は殆どが木製だが。
この写真の細部を見ると前輪の上部にはランプも付いている。ステアリング構造は前輪上のヘッドから伸びた長い一本の鉄製ハンドルである。駆動用のハンドルレバーはどうやら右手だけの様である。写真の左側にある棒は当初、左側の駆動用レバーと思ったが、どうやら奥にある木の枝かなにかのようで、非常に紛らわしい。
要するに駆動は両足と右手の3点ということになる。右手の前にある丸いものは何か、不鮮明でよくわからない。
「自転車の誕生」の27頁
Rantoone 写真提供:Lorne Shields