有名な「ラントーン」③
雑誌、メカニック(The Mechanic)の記事によると、「医学雑誌は、私たちの身体構造の健康的な活力を呼び起こすために計算されたラントーンを賞賛した」、ランセット(The Lancet)誌は特に、「厳密に医学的な観点から見ると、過大な負担をかけるのではなく、体の筋肉を刺激するように計算されているようだ」と述べている。しかし、このマシンを「ミニチュアの体育館」の如く使用することは必須ではない(時々そのように呼ばれる)。
発明者自身は、運転者には「手または足、あるいは両方を組み合わせてそれを操作する運動である」と述べている。英国と米国の両方の特許図面はフットレストを示している(米国特許はそれらを具体的に参照している)、これらは後のモデルのいくつかにある。発明者の「手または足」オプションは、場合によっては、その力が何れかの手足の配置によって加えられる可能性がある。
両手両足の4点を使用した場合、ラントーンはかなりの速度で走行することができる。ある広告では(下図を参照)、「時速8〜14マイルの速度で推進できる」とある。この高い数字は楽観的ではないように見えるかもしれないが、ペイトン&ペイトン社「Wheels and Woes」1870年の広告には、このマシンは「1869年9月23日に水晶宮で開催された国際ベロシペード大会のレースで銀メダルを獲得した」と書いている。 1869年9月6日(月)から10月6日(水)まで、そして(マシンの表示に加えて)「最も優れたプロのライダーによるベロシペードパフォーマンス」で、一連のレースで金、銀、銅メダルを受賞。「ロンドン・イラストレイテド・ニュース」の広告を参照。
筆者は、9月23日木曜日にラントーンが勝ったと思われる「チャンピオンシップのレース」の詳細なレポートを見つけることができなかったが、何れにしてもレースでも使用できるが、主に「ビジネスや娯楽目的」やツーリング(必要に応じて専用のパッキングケースを用意)などに利用されたことは間違いない。
インドでのレッドフォード中尉の乗車経験の記事では、一般的に「少しの練習で、普通の人でもあまり疲れることなく時速8マイルの速度で走ることができるだろう」とアドバイスしている(これは筆者の経験でもある)「そして1日あたり60マイルまたは70マイル移動できる」(筆者は経験するつもりはないが)。