パリジャン三輪車
1869年発行の「ベロシペード」(VELOCIPEDES BICYCLES, AND TRICYCLES:How to Make and How to Use them、BY “VELOX”)を眺めていたら下にある三輪車のイラストが目に留まる。どこかで見たようなタイプと思ってよくみたら、このブログの2日前にアップした「これもラントーン型」にある三輪車の構造と全く同じである。
この本の本文には.
パリの三輪車(図16)、形状は直線的で優雅ではなく、弱さも感じる。ペダルにはスリッパの形をした足用レストが付いている。ライダーは即座に足を離すことができるような形状である。駆動は機織りと同じで、歩くようなスタイルに似ている。足に負担がかからず、けいれんを起こすこともない。この原理で、より大きな力を出すベロシペード(図16を参照)にはサイドレバーが取り付けられており、クランクアクスルに作用して速度を大幅に向上させるとともに、必要に応じてブレーキとしても機能する。ステアリングハンドルは通常のバスチェアと同様に固定されている。
補足説明、「これもラントーン型」の三輪車とよく見比べて欲しい。やはりヘッド部上にはランプが付けられている。ステアリングのハンドルは同じくヘッド部から伸びた一本のハンドルである。座席の右側に駆動用のレバーがあり、これがクランクアクスルと繋がっている。スタート時の加速や上り坂などで利用できる。そして下り坂でのブレーキにも対応できる。平坦地では足だけの駆動で十分であろう。この三輪車は、やはり両足と右手の3点での駆動方式ということになる。
ラントーン車は両足と両手の4点での駆動であり、前輪のハブステアリングが特徴である。それにこの三輪車よりも軽量化が伺える。そういうことは、この構造のほうがやはり年代的には古い気もするが、具体的に何年の製作なのかは更に調べる必要がある。
女性用パリジャン三輪車
「ベロシペード」67頁のイラスト