2022年4月21日木曜日

パリの古本屋をたずねて

 パリの古本屋をたずねて

瀧川美佐緒

6月4日から1週間、パリへ行ってきました。今回は先日TVで放映された「LE SPORTSMAN」という店の紹介をしてみたいと思います。

場所はTVのビデオをストップさせて地図から調査済であり、月曜日(6月7日)には下見にも行っていましたので問題ありませんでした。

さて6月8日の火曜日11時に行ってみますと店が開いていません。通訳の方と途方にくれていると、店内からオーナーが出てきて、「うちは毎週金曜日しか開けないが、今日はたまたま来ていたので開けても良い。君達は非常にラッキーだ。またTV取材後最初にきた日本人だ」と言われ、1時間半程店内を探索しました。

広さは4坪(8畳)と狭い中、自転車、ラクビー、ボクシング、テニス等の書籍、雑誌、写真イラスト等が数万冊あり、オーナー自身René HERSEのタンデムを所有しており、若い時(現在42歳位)は世界中を走っていたそうです。また、ダニエル・ルプールとも懇意にしていたとか、小林恵三氏はたまに来るとか話しはつきません。TVに出たミシュランの初版ガイドブックは売れていましたが、ルブールの「LE VELO」、「シクロツーリズム」、「ルシクル」の創刊号、J・アンクティルの本数冊、その他ビニール袋両手持ちきれぬ程買っても3万円強と安く、非常に良い気分になれました。20世紀初頭からの本、雑誌もかなりあり、レーサーではコッピ、ボベその他レキップ紙のナマ写真等自転車好きなら何度足を運んでも楽しめる店である事間違い無しです。

別れ際にエルスやナルシスのカタログ、サンペの画集等を捜しておいてくれるとの約束もしてくれました。週1回で商売できる不思議な国で、もし機会があれば是非再訪門してみたい店です。

註、この記事は日本自転車史研究会の会報「自轉車」第72号、1993年9月15日発行より。