埴 亀齢の三輪車 -3
次に埴 亀齢(はに かめとし)の三輪車の駆動方式について、
以前私はこの駆動方式を、
写真が不鮮明でよく分からないが、どうやらシンガーと同様足踏み式のクランク・シャフト駆動のようである。ただし、前輪1の後輪2で、車輪構成は八幡浜から出た三輪車に似ている。
としたが、不鮮明な写真を拡大して見ると、シャフトドライブ方式ではなく、ペダルクランクによる2から3枚の歯車方式のようにも見える。
下がその拡大図である。不鮮明であることは変わりがないが、じっくりと見ているとそのように思えてくる。
先ず両足の位置であるが踏み込む角度からしてシャフトではなくペダルクランクに見える。しかしながらかなり回転が大きいようにも見える。大きな歯車を回している感じもする。
足元を見ると下駄を履いているようにも見える。下駄はパダルか、それとも下駄の下にシャフトがあるのか。
右足の下の部分を見ると右側に歯車のようなものが見える。
ステアリングと本体の接続構造がよく分からない。
吉田教授は、「埴亀齢の研究はテコの原理を応用し、 テコで歯車を動かし、小歯車から大歯車に、 それからコースターをして二つの大車輪を廻すことにした前一輪、後二輪の三輪車であった。
と書いているが、この説明だけではよく分からない。テコの原理であるならば大歯車から小歯車をまわすことではないのか。その方が楽で、スピードも出るのではないか。車軸にも歯車が付いていたはずなので、全部で歯車は3個となるのか。
何れにしてももう少し鮮明な画像が欲しいところである。
今後また新たな資料が出てくれば紹介したい。
取り敢えず、結論としては、
一、製作年代は、明治30年代後半。
一、駆動方式は、ペダルクランクによる歯車方式。(いまだ分明ならず)
以上