2025年12月14日日曜日

自轉車瓦版  第61号

 自轉車瓦版  第61号

昭和60年7月20日発行

発行所 日本自転車史研究会(輪史会)

発行日 不定期(1部20円)

☆ラントーンの駆動方式について.

「ラントーン」、この機械は、優れた点のほとんどを兼ね備えており、駆動輪が2つではなく1つしかないため摩擦が軽減されている。手と足を同時に、あるいはどちらか一方だけで操作することができ、運転者の右手のハンドルを回すだけで機械を完璧に制御できる。

ラントーンは体の多くの筋肉を駆使し、必然的に伴う大きな摩擦を考慮すると、達成される速度は非常に大きいため、クランク軸のヴェロシペードのさらなる進歩はほとんど期待できないかもしれない。この機械のスケッチを図5に示す。

クランク軸のヴェロシペードを駆動するには、もちろん非常に大きな力が必要だが、多くの筋肉に分散されるため、舗装道路でもかなり長い時間、時速8~10マイルといった速度を維持することができりる。下り坂では、レバーの非常に速い動きで非常に疲れることが多く、急勾配の坂を登るのに必要な動作も非常に過酷である。しかし、これらのヴェロシペードの一部はウェールズや北インドで、その性能は非常に高く評価されている。

(『THE VELOCIPEDE - How to Ride a Velocipede Straddle a Saddle Then Paddle & Skedaddle 』1869年. The "Rantoone" の部分を抄訳)


図5

23頁

24頁

2025年12月13日土曜日

自轉車 第13号

 自轉車 第13号

雑誌「自轉車」 第13号 快進社 明治34年8月5日発行

本號目次
口絵 函館愛輪運動會
自転車百話(其11)
梅津大尉自転車談(其6)
伊藤蛇腹居士自転車談(其3)
自轉車の應用
勇輪義会第3回遠乗記
自轉車世界周遊者を訪ふ
自転車隊談
躑村生のトークリップ論を読む
自転車論
難報、俱樂部彙報、問答、玉石混合、各地たより
輸友名居録は東京府外三縣
俳句その他

前號目次(第12号 快進社 明治34年7月5日発行)
口絵、10傑投票当選者、鎌倉遠乘
自転車百話(其10)
梅津大尉自転車談(其5)
米国陸軍自転車隊旅行日誌
東北自転車倶楽部遠乘記
勇輪義会第2回遠乗記
いざ鎌倉
双輪かまくら行
トー、クップの効用に就て
墺匈國機動演習に於ける自轉車
自転車茶話
雑録、雑報、陳列場、俱樂部彙報、問答、玉石混合、各地たより
輪友名居録は東京府外四縣
自転車名號集歌外種々

表紙
「自轉車」 第13号 快進社
明治34年8月5日発行

函館愛輪運動會 蓴菜沼
清水平蔵氏寄贈

蓴菜沼
Googleストリートビュー

目次

奥付

2025年12月12日金曜日

ラッジ関連 - 3

 ラッジ関連 - 3

1889年発行のラッジ・サイクル・カンパニー社の自転車と三輪車のイラスト入り価格表

発行年: 1889年

会社名: Rudge Cycle Company, Limited

ラッジ特許取得ボールベアリング

これらのベアリングは、現在、マシンにとって非常に重要である。600万回以上回転しても、目立った摩耗や部品の緩みは見られない。

ベアリングの調整が必要な場合は、図1に示すように、ベアリングのラグにある四角頭ピンAを緩める。これによりディスクが緩み、矢印の方向に回転させてベアリングが十分に締まるまで回すことができる。四角頭ピンAをしっかりと締め付けるように細心の注意を払うこと。そうしないと、マシンの動きによってディスクが緩んでしまう可能性がある。図2と図3はベアリングの原理を説明しており、調整方法を容易に確認できる。後輪の調整も同様に簡単に行える。フライス加工されたワッシャーがある側のナットを緩め、ベアリングが締まるまでワッシャーを指で左から右に回す。その後、ナットをしっかりと締め直す。コーンを締めすぎないように十分注意。通常は8分の1回転で十分である。


6頁

7頁
ラッジ・レーシング三輪車

8頁
ラッジNo.1三輪車


2025年12月11日木曜日

自轉車瓦版  第60号

自轉車瓦版  第60号

昭和60年7月19日発行

★瓦版の第48号で「寅次郎が、この糸車の名称を借りて・・・」と書いたが、むしろ当時人力によって回転する車輪状のものが付いてる機械は、糸車も含めて「自転車」という名称が一般的な使われ方であったようである。それが寅次郎の自転車への命名によって固有名詞に変化していったのではないかと思っている。

次に、書籍情報として、次の3点を紹介する。
①『自転車は、おあずけ』児童書、草土文社、初版1981年 ¥1300-
②『 空とぶ自転車』児童書、スミー作、白木茂訳、沢田紀子絵、 文研出版、初版1976年
⓷『超男性』アルフレッド・ジャリ著、渋沢龍彦訳、白水社 1975.5.20、初版発行 ¥1600-、この本には、「一万マイル競走」の項で5人乗り自転車について、詳しく書かれている。また著者自身が自転車に乗っている写真もある。
以上は、真船氏からの情報

 ★最近届いた古書目録に次のような本があった。
①「遠乗会」三島由紀夫、初版力バー帯付、昭.26.¥45000-(東京・中野書店)、②『新聞集成明治編年史』15冊揃い、財政経済学会、昭和50年、 ¥85.000- 
⓷「ジャパン・ パンチ」文久2年~明治20年、ワーグマン編、合本復刻 10冊 ¥65,000-
②と③は、東京、八正堂書店、④「車の科学」藤田静太郎、昭,17  ¥2700-は、東京・アドニス。

『車の科学』藤田静太郎著
国会図書館所蔵

2025年12月9日火曜日

ラッジ関連 - 2

 ラッジ関連 - 2

1889年発行のラッジ・サイクル・カンパニー社の自転車と三輪車のイラスト入り価格表
発行年: 1889年
会社名: Rudge Cycle Company, Limited

はじめに
ラッジ・サイクル・カンパニー・リミテッド
故D・ラッジ氏によって創業されて以来、18年目を迎えるにあたり、新シーズンの価格表を皆様にご公開できることを大変嬉しく思います。
これまで「ラッジ」マシンは大きな成功を収めてきましたが、その成功はシーズンごとにさらに拡大し続けており、これだけでも当社の製造に対するご好評を物語っています。
No.1「バイシクレット」は、多くの重要な細部においてさらに改良されており、図解で詳しく説明しています。(23ページ参照)
No.2「バイシクレット」。価格に見合った一流のマシンであることがお分かりいただけるでしょう。昨シーズンは数千台を販売しました。(24ページ参照)
No.3「バイシクレット」。このタイプの他のグレードよりも低価格のマシンを求める多数の問い合わせを受け、初めてこのマシンを発売する運びとなりました。購入を検討されている方には、他のメーカーの、はるかに高い価格のマシンでは到底及ばないと自信を持ってお約束できます。
「バイシクレット」レーサーは今シーズン、あらゆる種類の自転車で数々の記録に加え、安全性に関する世界記録も獲得しました。このクラスのマシンの中で、レーシングマンの間では最高のマシンとなるでしょう。

No.1三輪車「ラッジ」は私たちの期待をはるかに上回り、これを超える三輪車は市場に存在しないと断言できます。昨シーズンにこのマシンを初めて導入して以来、いくつかの変更と改良が行われており、これらについてはイラストの下に詳しく説明されています。(8ページ参照)・・・

はじめに 3頁

4頁

5頁

自轉車瓦版 第59号

 自轉車瓦版 第59号

昭和60年7月15日発行 日本自転車史研究会

★雑誌『愛輪』について、明治の自転車雑誌については、以前に会報の21号でもとりあげたが、この程、『愛輪』という雑誌が発行されていたことか分かった。この雑誌は石川県金沢市の自転車クラブ、金澤愛輪倶楽部が発行したとのことで、創刊は、明治36年10月10日である。これでまた一つ明治の自転車雑誌が発見されたことになる。しかし、残念ながら、今のところ、原本は一冊も見つかっていない。恐らく国会図書館にもないと思われる。明治37年1月1日発行の『輪友』の広告欄に、大きくこの『愛輪』 が出ている。はたして、『愛輪』は、何号までつついたのであろうか。今後の調査を待ちたいところである。

『自転車』、『輸友』、『猟輪雑誌』、『自転車世界』、『三友』、『輪界(大阪)』、『輸友銃猟写真雑誌』、『輪界(東京)』、『清輪』、『信越輪界』、『愛輪』・・・?


『輪友』第27号 
明治37年1月1日発行の広告より

謹賀新年
全國輪友諸君の萬福を祈る
一月一日
金澤愛輸俱樂部
愛輪は石川金澤市より發行する自轉車雑誌なり
愛輪は金澤愛輪俱樂部の機關雑誌なり
愛輪は普く輪界の記事を網羅せる雑誌なり
愛輪は毎號美麗なる寫眞版數葉を挿入せり
愛輪は毎號懸賞俳句の募集あり
愛輪は明治三十六年十二月十日 第二號を發刊せり
愛輸は一部定價金八錢十部前金七十錢なり
石川縣金澤市下近江町四十九番地
發行所 金澤愛輸俱樂部雜誌部

2025年12月8日月曜日

ヴィクター号関連

 ヴィクター号関連

アメリカ合衆国特許庁

チコピーフォールズのチャールズ・E・W・ウッドワードとボストンのチャールズ・R・オーバーマンは、マサチューセッツ州ボストンのオーバーマン・ホイール・カンパニーの譲渡人。

ベロシペード

明細書は、1890年5月27日付特許第428,991号の一部です。出願は1889年4月27日です。シリアル番号は308,796。(模型なし)

マサチューセッツ州ハンプデン郡とサフォーク郡のチコピーフォールズとボストンに居住するチャールズ・E・W・ウッドワードとチャールズ・R・オーバーマンは、ベロシペードのいくつかの新しく有用な改良を発明した。そして、本明細書の一部を構成する添付図面を参照しながら説明する。

本発明はベロシペードの改良に関するものであり、その目的は、後輪駆動安全タイプのタンデム自転車に特に適した、シンプルでコンパクト、強固で効率的な駆動機構を製造することである。これにより、ホイールベースを最小限の長さに短縮し、ライダーの重量を分散させて最良の結果を得ることができる。

これらの目的を念頭に、本発明は、後述するように、また特許請求の範囲にも明記されているように、特定の構造の詳細および部品の組み合わせを有する自転車である。

添付図面において、図1は本発明を具体化した安全タンデム自転車の側面図であり、図2は図1の線a-bにおける拡大水平断面図、機械の駆動接続部を示している。



明細書 1頁

2頁