長崎金右衛門の自転車
官報 No.618 明治18年7月23日、
今月11日より20日までに、専売特許を願出したる者は左表の如し、但し専売特許を與へたるときは其の都度更に広告すべし
明治18年7月22日 農商務省
発明
自転車 長崎金右衛門 神奈川県
官報 No.618 明治18年7月23日
国会図書館所蔵
以下同じ
新聞集成明治編年史
第六卷 昭和15年発行
6人乗り9人乗り 人力車発明
〔明治18年4月4日、東京橫濱毎日〕 神奈川縣下足柄上郡圓通寺村大工職長崎金右衛門(四三)は、去る明治六年の頃より一種の人力車(同人は之を自轉車と名く)を工夫せんと思ひ立ち、數年の間日夜心を此事に潜めしが、昨十七年七月頃に至り其雛形(六人乗を二人にてひくもの)を製造したりしに付き試験を行ひし處、果して豫想の如く輕便のものなりしかば、初めて安堵の念をなし、爾來益々改良に従事し、今回は三人にて九人を運搬するものを案出し試験を行ひしに、悉く意の如くなるのみならず、其速力は一時間二里餘を走り、至極便利のものなるにぞ、賛成者も俄に増加せしかば、先づ第一着として、 横濱小田原間を往復するの見込にて、長崎は去月廿八日縣廳へ出願したりとぞ。

