2021年11月26日金曜日

バックナンバー 101

 バックナンバー 101

ニュースレター(NEWSLETTER)NO.101

 1999年5月16日作成 日本自転車史研究会

●一般誌でも自転車
最近、一般誌の「ラピタ」や「ペン」で自転車を特集している。 自転車がいまやトレンドなのか?そうとも感じないのだが。まあ、ともあれよい傾向だ。 「ラピタ」の5月号ではシカゴのあるコレクターを紹介。実は1991年に私は彼のコレクションを 実際に見ている。確かに記事のとおりその数は半端でない。300台以上は間違いなくある。 ただ言えることはその中で歴史的に価値ある自転車はほんの数台である。正直言ってほとんどは ガラクタだ。もちろん分類も調査もされていない。ただ雑然と集めたと言う感じである。
ところが 以前「ペン」に紹介されたプライアー・ダッジ氏(音楽家、タンゴの名手)のコレクションは本物である。 彼自身、自転車史家でもあり 立派な歴史の本も書いている。また、ホームページも公開している。(当サイトからもリンク)
雑誌が取り上げる内容は様様だが、今後もこのような特集を期待したい。
 
●マイクさんフォーセールのサイトを開設
ザ・ホイールメンのメンバーであるアメリカのマイクさんがこの程 クラッシク自転車のフォーセールのページをオープンした。彼はオーディナリーの鑑定家でも あり、またレストアも手がける。信頼できる物件なので興味ある会員は照会するとよい。
アドレスは次のとおり。
Antique Bicycles for Sale
http://www.ultranet.com/~hound/AntiqueBicycles.html(現在は行っていない、2021年11月24日調査)

●浅井 忠の画にダルマ自転車
八王子のK氏からの情報によると、明治時代の洋画家である浅井 忠の作品の 中にオーディナリーが描かれたものがあるとのこと。早速送られてきたコピーを見ると 小さいが確かにオーディナリーが2台画かれている。K氏の推測によると彼はパリの万国博後に フランス留学しているので、その時に見たのではないかと言っている。
よほど印象が強かったのであろう。

●スコットランドの自転車史
「Scottish Bicycles & Tricycles」 と題する本が発行された。 この本は、ホビーホースから最近の自転車までを通史としてまとめている。
スコットランドと言えば、カークパトリック ・マクミランを思い出す。どうやら本当の視点は、この辺にあるようだ。しかし、 最近の通説ではその立場は 否定的だ。

「Scottish Bicycles & Tricycles」by Alastair Dodds .1999.P100.
The story of Scottish bicycles and tricycles is covered from the original hobby-horse velocipede to the boneshaker and from the penny farthing to the homemade superbike, offering a glimpse into the trials and tribulations of inventing pedal-power.

「Scottish Bicycles & Tricycles」
by Alastair Dodds .1999年100頁

●100年前の記事
日本の100年前は明治32年である。このころ輸入されて いた自転車を当時の新聞広告から拾ってみると、次のような名前が出てくる。 米国製:ホワイトフライヤー、クレセント、クリブランド、オバランド、アイーデヤ、 ラムブラー、モナクなど。
まだこのころは米国製輸入自転車が全盛であった。 特にクレセントやクリーブランドは人気があった。
また、この年の雑誌「中学世界」東京博文館発行には、桜井 鴎村が「自転車発達の跡」 と題し、2号にわたり自転車史の概観記事を寄せている。
ドライジーネやミショー型、オーディナリー 型の挿絵もあり、分かりやすく解説している。これらは当時の自転車史の状況を垣間見ることができる 貴重な資料である。