2021年11月15日月曜日

バックナンバー85

 会報「自轉車」バックナンバー85

1995年11月15日発行 日本自転車史研究会

その一部を掲載、

ニュースレター(NEWSLETTER)

●阿弥陀骨?
11月5日、放映の「NHK・クイズ日本人の質問」で“阿弥陀骨”とは?をやるらしい。
阿弥陀骨は、明治35年頃の訳語で、スポークのことをさす。だれがこの様に訳したかは、判然としないが「自転車全書」には載っている。おそらくこの著者である松居眞玄あたりが、ホイールを阿弥陀様の光背から連想し、言い出したのだろう。
次に当時使われたスポークの名称を大雑把に調べてみたところ以下のようであった。

「自転車全書」明治35年、阿弥陀骨
「自転車指針」明治35年、車輻、スポークス
「自転車乗用速成術」明治32年、幅(はりがね、ふく)
「輪友」明治35年、スポーク
「自転車」明治34年、スポーク
「自転車術」明治29年、幅(ふく)
「自転車修繕法」明治38年、骨
「最新東京繁盛記」明治36年、阿弥陀骨、スポーク

この様に調べてみると、どうやら一般的に当時使われた名称ではなく、一部の意訳として使われたようである。やはり今日と同じ様に普通にはスポークが用いられた。

●斧氏(大阪)からのレター
最近、古道具市や古書店を回り引札、おもちゃ絵を入手しましたが、その中に芳虎画の馬車づくしの中に、自転車2台を描いたものがありましたので、カラーコピーを送ります。
この自転車の前から見た図は少ないと思いますので。
また、画調彫り方からみて明治初期5~6年までのものと考えられます。

注)確かにラントン型自転車のほとんどは横から見たものが多く、このように前面から描かれているものは珍しい。この会報の表紙がそれです。

「しん版馬車づくし」その一部を拡大
一孟斎芳虎 画 明治5年頃

★矢野氏(伊丹市)からのレター
前号のラレーのレストアの記事と英国の御用達店の記事、興味深く読ませていただきました。
ラレーと言えば、先日家の近くで門のところにラレーのミニサイクル(二つ折りができるタイプ)が止められていたので、じっと見つめてしまいました。
どうやらその家のものではなくお客さんのものだったようで、その後、姿を見ていません。残念ですが。
ミニサイクルと言えばプジョーにも結構凝ったものがありましたね。

●パウアー氏(ドイツ)からのレター
旧東ドイツのベルリン近くの町に二輪車博物館がありましてそこを見学した時のパンフレットのコピーが1枚と、フランクフルトの近くの飲み屋さんに行ったときに、たまたまコースターに自転車の絵が描いてあるのに気付きましたので、それを持って帰りました。
それから、ドイツに1年に一度「切手の日」というのがあって、今年の図柄が、自転車に乗った郵便配達の絵でした。
今度の冬学期にはサバティカル(研究長期休暇)を取りましたので、少し自分の研究に集中できるのではないかと期待していますが、どうなりますか。できるだけ雑用にふりまわされなければよいがと思っております。