2021年11月17日水曜日

錦絵

 錦絵

下の錦絵は歌川芳虎(一猛斎芳虎)の「くるまづくし」明治4年頃の作である。
ローマ字で「KURUMADSUKUSHI」と洒落ている。横浜居留地あたりの外国人を意識した題名と思われる。 

芳虎はこの時期多くの「車尽くし」シリーズを描いている。
この画の中で特に注目したいのが、5輪車のラントン型自転車と海上に浮かぶ「水皿車」である。
「水皿車」とは、それとも皿ではなく別な字であろうか。とりあえず「水皿車」とした。
おそらくこの水皿車は架空の舟と思われる。駆動方式は何となくラントン型を連想させる。船頭一人と乗客は子供を含め4人。船頭は手足を使い舳先の前にある外輪を回転させて推進するようだ。
ことによると、この舟は和製ラントン型自転車を製作した竹内寅次郎が明治3年8月に考案した「自走船」の可能性もある。

「KURUMADSUKUSHI」
一猛斎芳虎 画

ラントン型二人乗り自轉車(5輪車)

「水皿車」