2022年2月16日水曜日

自転車関係資料-81

 自転車関係資料-81

この資料は月刊雑誌の「旅とサイクリスト」1970年5月号である。

全日本実業団レースの記事を抜粋

シーズンのトップを飾る
全日本実業団レース
一周抜かれると失格同時発走のジュニアーには辛い
通産大臣旗争だつの第3回全日本実業団対抗サイクルロードレース大会が春陽の3月8日午前8時より、三重県の鈴鹿サーキット国際レーシングコースで行われた。
 このコースもすでに3回目となると、コーステクニック、ギャレシオ等選手に十分に熟知され、それ丈に監督さん同志のシノギを削る冷戦模様が感じられた。
 前2回にかわって、すばらしくよい天気で、記録もぐんと上り、流れるようなレース運びだが、それ丈に山場、見せ場が少く盛り上りがもう一つ、といったところ。
 今年はジュニアも、ベテラン並みに同時発走で、5周90・6㎞のコースで、一周抜かれると失格というきびしさに、ベテラン64名、ジュニア50名の出走で、完走は46名。
勿論、パンクの故障もあったが、かわいそうなところも見受けられた。パンクしても予備も持たず、さっさと棄権する選手が多く、何かしらやる気があるのかとたよりない感じ。タイヤをとりかえてでも完走しようというファイトがないのだろうか。どうせ負けだというアキラメならば、何百人走ったって、勝っのは一人なんだから、始めからレースに出なきゃいいワケ。日本の自転車レースが、水準からぐんぐん下って行くのも当り前かも。
 移動監察などの自動車、レーシングをたのしんでか、警笛をならして選手を押しやって走り廻るのは、役員らしかぬ暴挙と危険も伴うとの評も耳にした。心されたい。

平均時速36㎞
もう一息のスピードが
ともあれタイムは第2回目の2時間30分14秒10を8分近くも短縮する好成績で、レーシングコースでのレーステクニックが旨くなった証拠だろう。
 レースの出来るコースがなくなった近頃のこと。もっとレースを面白く、白熱させる競技方法がないものだろうか。先頭周回賞も、ポイントみたいに義務づけると面白いかも知れない。
 ともあれ、今年のレース・シーズンもこれから始まる。

註、この記事には一部酷評も、
「パンクしても予備も持たず、さっさと棄権する選手が多く、何かしらやる気があるのかとたよりない感じ。」
確かにこのようなことでは、世界で戦えない。

レース結果は18頁を参照。
この中で斧 隆夫氏(ナショナル自)が2時間21分59秒1と個人の部で優勝している。
斧 隆夫氏は、当研究会の会員でもあった。自転車の切手と錦絵のコレクションは世界的にも有名。

表紙

目次

8頁

個人優勝の斧 隆夫選手
8頁

16頁、17頁

18頁

同上