老舗さんぽ-53
昨日、久しぶりに平塚の宮川サイクルスポーツ(神奈川県平塚市八千代町)を尋ねた。
この店には1970年代後半から何度か訪れている。前回は、2020年8月2日(日)である。
まだ13時には少し間があったので店の周りに置いてある自転車を眺めていた。1980年代の神金(神金自転車商会、調布市金子町1766)のペガサスが2台あり、1台はピンク色のミキストタイプでもう1台はランドナーである。店主である宮川 保さんは、以前に神金で修行していた関係で、前からペガサスを扱っていた。
13時前だが店の中を覗いたところ、店主がちょうどいたので店内に入る。挨拶もそこそこに自転車談義が始まる。ちょうど私のポケットに山王のハンカチがあったので、それを見せると、店頭の前にあるケースの中から山王のマークが入ったペパーナイフのようなものを見せてくれた。流石老舗である。古いものはパーツを含め何でも揃っている。
以前に店に飾ってあった日帝のメヤム号が無いので聞いてみると、いまは倉庫の方に置いてあるとか、店の中に置いてある自転車で気になったのは初期のワンタッチ・ピクニカとイギリスのパシュレー製のロードスターであった。パシュレーは価格を見ると136,000円とある。
その昔であれば、間違いなく直ぐに購入したはずである。
この宮川自転車店の歴史も古く、彼是100年近くになる。或いは既に100年は越えているかも知れない。初代の店主は祖父の宮川峰次郎さんで、昭和初期には既に店を開いている。
ことによると大正後期かもしれない。
それと、以前から気になっていることで、同じ平塚の須賀で宮川峯五郎さんが店を出していたが、はたしてこの峯五郎さんと峰次郎さんはどのような関係があるのか、それとも全く関係がないものか、今度尋ねたときにでも聞いてみたいと思っているが、何しろ大正期の事であるから分かるかどうか。昨日、宮川 保さんに聞けばよかったが、別な話で盛り上がり忘れてしまった。
そのうち、この店で待ち合わせをしていた知人の渋谷さんと石井さんが見えた。
石井さんは、つい最近この店で1980年代のペガサスのランドナーを購入している。この自転車を見ていると随所に店主のこだわりがあり興味深い。石井さんはいい買い物をしたと思う。
ところで、店主の宮川 保さんは神金譲りの職人気質で以前から妥協を許さない。仕事はきっちりである。そのせいか平塚競輪場を走るプロ選手からも絶大な信頼を得ている。1㎜の狂いや歪みも見逃さない。