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ニュースレター(NEWSLETTER)NO.123
2002年11月18日作成 日本自転車史研究会
●古物商店頭のオーディナリー毎日の通勤に利用する道路沿いに古物商があるが、その店頭に以前からオーディナリーが置いてある。このオーディナリーは、店の売り物で価格は25万円とある。風雨にさらされていて、何時もここを通る度に気になって見ている。これは本物か?
(Т氏からのEメール)
編集者注:送られてきた3枚に写真を見ると、どうやらレプリカのようだ?
①写真だけでは判別できないが、状態が良い。
①写真だけでは判別できないが、状態が良い。
②サドル下のバックボーンにメーカーのプレートがついていない。
③ヘッド部分に製造番号などが刻印されていない。
④全般的に100年前のオーディナリーに見えない。
⑤ペダルとブレーキレバーは明らかに当初のものではない。
⑥ヘッド部にバックボーンの下の方に付けるはずのステップが付いている。このステップの使い道のわからない人が付けてしまったようだ。
⑦ハブ・ホイールの状態が良い。100年前のものとは思えない。
⑧サドルも状態が良すぎる。
⑨直感的に見ても100年前のものと思えない。
⑩レプリカなら大変高価。
⑪レプリカとして、この状態で評価すれば、10万円以下では?
⑫レプリカとしてはかなり忠実に作られていることは評価できる。写真が送られてくる前は酷いものと思っていた。
⑬メーカープレートと製造番号などが確認できれば、25万円は安い。
⑭どこかに何か刻印はないか?
⑮レプリカでも良いものは刻印がある。アメリカのケネディーであれば、ヘッド部にケネディーと刻印されている。
⑯全体に小さい感じがする。車輪径は何インチか?一般的には48インチ以上。
●WEB・バイクナビ
同サイトに「バイシクルリレーエッセイ」という欄があり、通勤自転車の利用者からプロ・ライダーまで、自転車に関わる様々な人が寄稿している。一読をお薦めする。
バイクナビ https://bikenavi.net/index.html
●WEB・バイクナビ
同サイトに「バイシクルリレーエッセイ」という欄があり、通勤自転車の利用者からプロ・ライダーまで、自転車に関わる様々な人が寄稿している。一読をお薦めする。
バイクナビ https://bikenavi.net/index.html
●ヤマハ・ハイブリッドコミューター
ヤマハ発動機は、ガソリンエンジンと電気モーターを併用するハイブリッド式自動二輪車を開発。ガソリン1リットル当り250キロ以上走行という驚異的な燃費を達成した。全長185センチ、高さ113センチで、外観は自転車のように見える。
(平成14年8月30日付け神奈川新聞より)
●自転車文化センター移転
東京・赤坂の自転車文化センターは、11月1日をもって、北ノ丸の科学技術館へ全面的に移転した。
●オール輪界
深谷市のサイクルショップ・コンドーから昭和10年1月発行の月刊雑誌「オール輪界」のコピーを入手。
●自転車のある郵便局風景印
東京:狭山相原、小平駅前、村山、武蔵村山中原、東大和芋窪
神奈川:小田原鴨宮
大阪:堺鉄鋼ビル内
群馬:布施
福井:湯尾
千葉:土気
山形:糖野目
岩手:鵜佳居
青森:八戸湊高台
北海道:函館人見、東札幌、白石南郷、十八
大分:平田、津民、下郷羅漢寺
兵庫:上甲子園
広島:八千代
岡山:辛川
三重:滝原、七保
以上、25郵便局
(資料提供:名古屋・八神史郎氏)
●国際サイクル歴史会議
第14回国際自転車歴史会議がオーストラリアのキャンベラで、来年の2月24日~26日まで開催される。
連絡先: Annemarie Driver,Organiser
14th International Cycle History Conference Canberra, Australia 24th -26th February 2003
Annemarie@CanberraBicycleMuseum.Info
●SYOWA自転車組合の自転車
私は、1975-76年に沖縄にいました。そこで日本製の10段切替の自転車を購入しました。この自転車の名前はサンフレッシュと言い、付いているマークをみるとSYOWA自転車組合とあります。
私は今もこの自転車に毎日乗っています。そこで、この自転車の製造年等何かわかりましたらお知らせください。私がそれを買った店は、Futema基地の近くです。
(ジョン・ウイリアムズ氏からのEメール)
編集者注:会員諸兄のなかで、この自転車について心あたりがありましたら、事務局までご一報ください。
●DnB ポータブル自転車
私は、2年前に特徴ある自転車を1台購入しました。それは「D n B」と言う折畳式の自転車です。 私は、その自転車を友人に見せました。彼らは多分その自転車は1960年代に日本で作られた自転車だと言っていました。デザインは洗練されたヨーロピアン・スタイルで、とても気に入っています。この自転車について何かわかりましたらご連絡ください。
(デイブさんからのEメール)
編集者注:この折畳自転車は大日本自転車工業の製造と思われます。恐らく当時輸出用に製造された自転車でしょう。現在引き続き調査中。
●Rising Sun Cycle Club
私は現在日本の大学院で勉強しています。修士論文に、日本の自転車歴史をテーマにしたいと考えています。 そこで質問があります。
1. 徳川慶喜以外の有名人で、誰か自転車に乗った人はいないか?
2. 自転車流行の影響で、日本人の服装は変わりましたか?明治維新で変っただけか?
3.どこに人力車の統計がありますか?
分かりましたら教えてください。
ひとつの面白い記事を見つけました。アメリカに日本人のサイクルクラブがあったらしいのです。クラブ名はRising Sun Cycle Clubと言います。詳しいことは分からないですが、1890年代にニューヨークに本部があったようです。
Rising Sun Cycle Clubに関する出典はMerry Wheels and Spokes of Steelです。著者のRobert A. Smith氏は、今年の8月に87歳で亡くなりました。
(A・ウイリアムズ氏からのEメール)
●Xtraordinaryについて
私は、Xtraのカタログ、写真などを収集しています。そして、約30項目の Xtraリストをまとめました。さらにまだ、次の年代の資料を探しています。それは、1883、1884、1885、1887、1888及び1889年です。協力お願いします。
(Caery・ウイリアムズ氏からのEメール)
●タカラのハイエンド自転車フレーム
私は、タカラのロードレーサーを購入しました。この自転車は、1990年に、ある自転車競技チームが実際に使用したものです。パーツは、Suntour Superbeコンポです。購入価格は、800USドルでした。この自転車のフレームの品質はどの程度でしょうか?
1)3Renshoに使用されているフレームと同じくらい品質ですか?
2) それらはまだ日本で作られていますか?
(スコットさんからのEメール)
●ルフェーブルの自転車
1842年、アレクサンドル・ルフェーブルにより考案されたペダル駆動の自転車研究について(概要)。
この研究の始まりは、アンドリュー・リッチー氏の著書である一連の自転車歴史関係の記事が発端になっている。その本には歴史の概観とユニークな自転車の記述があった。(「サンノゼの隠れ場所」Bike World Magazine, 1975)
その記事の中に、サンフランシスコのアレクサンドル・ルフェーブル が製作した初期の自転車がある。彼は故郷であるフランスのセントデニスでその「奇妙な乗り物」を1843年に考案し、その後1861年にアメリカに移住した。機械工であった彼は移住先のカリフォルニアで錠前屋として働いた。
彼はベイ・エリアに住んでいる顧客のために自転車を製造した。ルフェーブルについては当時の3誌の新聞に彼が故郷フランスで自転車を考案した記録が残っている。
この自転車のユニークな特徴は、ライダーが足で垂直に一対のペダルを踏み、後輪の車軸に接続されたクランクで推進する仕組みになっている。この形式はちょうど蒸気機関車の伝達方法と同じである。この機構は後(1866-1868)のマクミランとダルゼルの自転車と対比されるが、これらの自転車は足をほぼ水平に前へ踏み出す方式で、そのペダルは前輪の車軸に固定されている。
その後、自転車のペダルはピエール・ミショー(1868年特許取得)とピエール・ラルマン(米国で1866年に特許取得)により直接前輪の車軸にクランクを介して据え付ける方式となる。
ルフェーブルと同様なペダルとレバー式構造の自転車の状況については、1838年にスコットランドのDumfries近くでカークパトリック・マクミランにより製作されたとされるが、それを裏付ける決定的な証拠資料がない。最近ではこの説は否定的でさえある。
マクミラン型の自転車は現在2台のレプリカが存在する。一つはギャビン・ダルゼルの自転車でグラスゴーの博物館に、もう一つはトーマス・マック・コールの自転車で、ロンドンの科学博物館にある。
ルフェーブルのシステムが下垂直力によってペダルに動かすのに対して、マクミラン/ダルゼル/マッコールはそれとは異なり、レバーシステムを使い前水平力によってペダルを踏み込む方式である。
ルフェーブル(1842)の三輪車は当時のそれを裏付ける資料も残っており、1842年に製作したことはほぼ間違いないものと思われる。
ジャック・グレーバー氏の論文(2002年9月)の一部を抄訳。
ルフェーブルの自転車 1842年
ジャック・グレーバー氏提供