仙臺新報 - 8
「仙臺新報」第22號 仙臺新報社 1908年(明治41年)5月31日発行
「自轉車競走とピアス」などの記事、
18、19頁
「仙臺新報」第22號
国会図書館所蔵資料
●自轉車問答(一部抜粋)
同じ船來自轉車にして價格の多少に依り車体機関部に如何なる相違ありや(輪狂生)
△高級のスヰフト、トライアンフ、ハンバー、センター及び米車のピアス號の如き車体のパイプ等皆精良の材料を使用するのみならず車軸及び玉押の如き全部等の鋼鉄をダライバン(オランダ語で旋盤のこと)に掛て製作するを以て十年前に買入れ目下使用しつつある車軸玉押等を撿するも磨滅の痕跡なしピアス號の如きは世間多くの使用者あるを以て就て實驗せらるべし下級車輛に使用する玉押は型を用へ打抜きたるものに原料また粗悪なれば破損及び磨滅當然なるべし。
當市の東北新聞主催となり六月七日午前九時より川内講武所に於て懸賞自轉車大競走会を舉行する筈なるが市内有力者の賛助と各商店より副景品として多數金品の寄贈もあり尙は遠隔の地より態々出場する撰手尠なからずと云へば當日の盛會推して知るべきなり
●自轉車競走とピアス
去月名古屋グランド に於て開催したる全國聯合自轉車大競走會に於て二日間共大勝を博したる乗用者は何れもピアス號にして数万の観客は同車の軽快にして堅牢なるに舌を捲きしと尙ほ両日間に於けるピアス乗用の優勝者氏名左の如し
廿三日の分
會員撰手競走十哩
第一着 名古屋 山本勉一
廿三日の分
會員撰手競走十哩
第一着 名古屋 山本勉一
第二着 名古屋 松原信康
第三着 名古屋 廣瀬正一
廿四日の分
聯合撰手競走十哩
聯合撰手競走十哩
第一着 横濱 多田健三
第二着 大坂 槌田定吉
第三着 横濱 高橋隆次
第三着 横濱 高橋隆次
第四着 東京 荒幾次郎
第五着 名古屋 松原信康